「…………知念?」

「あい?」

やっぱり知念だった
セーラー服のまま脚立に跨り身を乗り出すようにしながら高い木の上をガサガサと漁っている
恐らくは一年辺りがホームランをとばしたテニスボールでも探しているのだろう

「女の子がそんな事すーじゃないさー」

「別に下にハーパンはいとるし」

そう言う知念のスカートの下には確かに紫のハーフパンツが穿かれている(ちょっと残念な気がしないでもないが他の男に見られるより数段ましである)
しかし問題はそれだけではないのだ

「怪我でもしたら大変やしわんが取ったるから降りてくるさー」

「あともうちょっとや…し」

そう言うと知念はさらに身を乗り出した
見ている身としても気が気でない

「知念…ちょっと大声では言いたくなかったやけど」

どうにかボールが取れたらしい知念は片手にそれを持ちながらキョトンとした顔で平古場を見下ろした

「セーラー服ってトップス短し、やから低いとこから見上げるとブラジャー丸見えさー」

「なっ……!?!?」

その言葉に思わず知念は勢いよく立ち上がった
途端に脚立がバランスを崩す


「…危ない!!」

ガラランと大きな音を立てて脚立が倒れた
知念は構えた痛みになかなか襲われずおそるおそる閉じていた瞼を持ち上げる

「大丈夫さぁ?」

「!?!?」

目を開けるとあったのは金髪の眩しい平古場の顔
足は浮いたままでよくみると知念は平古場に抱きかかえられていた

「知念軽すぎるさーちゃんと食ってるんさ?」

俗に言うお姫様だっこの様な格好に知念は慌てるが身長はあっても線が細く女の身である知念がいくら暴れたところで早乙女に鍛えられている平古場には大した衝撃ではない

「怪我してるかもしれんしとりあえず保健室にでも行っとくさ」

平古場はそのまま歩き始める
いよいよ本格的に暴れ始めた知念だが平古場は面白そうに笑うだけであり諦めるしかないと腹をくくった
平古場はせめて顔を見られないようにと胸に顔を押し付ける知念をみてまた笑いを零した







(セーラー服^^2人は恋人でも恋人未満でもどちらでも)