「ね、エルヴィンさんどこに入ります?」「君に任せるよ」

付き合いだけで上司に出ろと言われた合コンで酔っ払いの女の子を送ることになり今に至る。彼女に言われた通りの道を辿ると煌びやかな照明で輝いた街へどたどり着く。
げんなりとしてしまったが、ホテルに入ってもう少し飲ませて寝かせてしまえばいい。
入ることを拒否することよりも穏便に事は済むだろう。

そんなきらきらと輝く街中でなんだが抱き合ったような格好をした男女が目に入った。
抱き合うのならはやく中に入ればいい。それとも帰るのが名残惜しいのか。
疑問に思いながらも歩きつつ近づくと抱き付いている男に女性は抵抗してるように見えた。
「ねー名前ちゃん酔ってるでしょー?休憩していこ、ね?」
「やっ、いやです山本さんっ…」

名前、そして流れるような黒い髪。見覚えのある、探し求めていたそれ。
「名前。」
名前を呼ぶといつもの見透かすような琥珀色と目が合った。男を引き離してせかされるように目の前の建物に入る。ドアを開けた先は煌びやかすぎる部屋。
それでもなんだかどうでもいい気がした。

「エルヴィン…?」

慌てるように鍵をしめた私の顔を覗き込む琥珀色の瞳。その瞳にたまらなくなって深く深く口づけた。
「…っは…ぁ…あ、んん…っ」
長い間離れていた二つの影はゆっくりと沈んだ。




「ん…っふぇ、あ、ぃたかったの…っ」
何百年も何十年も待っていた人。振り乱されたエルヴィンの金髪にいつもは穏やかだけど今は荒れた海のような瞳。話したい、と思いつつも与えられる愛撫が気持ちよくて心地よくて目を閉じてしまう。
「…私もだよ名前。」
エルヴィンの大きな手のひらがいやらしく私の太腿を撫で力を抜かせる。
人差し指で撫でるように、しかし激しく攻め立てられると腰がびくんと震えてしまう。
「…ゃっ、エルヴ、ィンっ…」
相変わらず濡れやすいな、などと言われると涙があふれた。羞恥などではない、分かりきったことだが彼が本当にここにいて私に触れていることを実感してしまったからだ。
私が巨人に喰われてから彼はどのように生きてきたんだろう、それさえもわからないというのに。

「…名前」
彼は太くごつい指で私をほぐすと足を割り込ませた。少しの恐怖と期待が私の胸の鼓動を早くさせる。

「私はこの世界でも君が欲しい」
真剣な青い瞳が私を見据える。私もそうだった。彼以外のことなんて考えもせずただ彼だけを求めて探していたんだから。
「…私も、エルヴィン団長がいいんです。」
だから、と手を伸ばすと彼は優しく私を抱きしめた。
「後悔はさせないよ、名前」
はじめてこの行為をしたときはどれだけ昔だったのだろう。そのときとまったく同じセリフに私は涙を流した。




果てしなく抱き合う




蒼猫さまリクエストありがとうございました!
ご希望のものになっているかとても不安です…
転生パロというわけでただいま連載しているのとどうしようか迷ったのですが本編の中で裏は使いたいな…と思っていたので別のものにさせていただきました!
エルヴィンが好きといってくださりとてもうれしいです…!
本当にありがとうございました!!