数学の授業時間。文系選択の私(というかクラスメイトほぼ全員)は教科書とノートだけは開いて机にうつ伏せっていた。
いっそ寝てしまえたらいいのに、と思うけれど昨日寝すぎたのかなかなか眠くならない。そんなわけで私はうつ伏せって机の下でスマホを弄っていた。途端に震えるそれ。
私は慌てて人差し指で端末を操作し開く。目に飛び込んでくるのは”エルヴィン・スミス”という文字。そのたった8文字に胸が痛いくらいにどきりとして私は跳ね起きた。

「授業を始める、はやく席に着きなさい」
端末を弄っていたらいつの間にか授業は終わっていて英語が始まっていた。
「なんか、スミス先生今日格好違うよね」
隣の友人がひっそりと私に耳打ちをして私は自分が見惚れていたのがばれたかと思い心臓が止まるかと思った。流暢に英語を音読する彼。私は数学のときとは違い真面目に授業を受け始めた。もっとも目の前にいる人から連絡のきたスマホはもう見る必要性などなかったのだ。





公園の隅のベンチに腰掛けて音楽プレーヤーをつける。無意識に恋愛ソングを流してしまうのってなんなんだろう。ぼーっとそれを聞いていると目の前に黒い車が止まる。
私は横に置いていた鞄を手に取り車の後部座席へと飛び乗った。

「スミス先生」「待ったか?」「いえ、全然。」

嘘だろう、そんな風に彼は笑ったが嘘ではない。学校が終わった後もっている限りの道具を尽くして顔を弄っていたからだ。これもまた子供の私の悪あがきなのかもしれないけれども。たわいもない話をしながらも車はどんどん走っていってマンションの駐車場の中に止まる。屋内に入った途端スミス先生は安心したかのように私と手を絡めた。いつもプリントを配るときくらいにしか触れない手が私を包んでるのかと思うとなんだか少しだけ不思議な気持ちになる。
部屋はいつも通り変わらずこざっぱりとしていて、机の上には高校の参考書が置かれている。先生もちゃんと勉強してるんだなあ、そんなこと考えていると彼はマグをふたつ持ってきてくれて中身は私のためにわざわざ作ってくれたのだろう甘いミルクティ。ベッドに腰掛けながら飲むとなんだかどきどきとしてしまう。部屋に座る場所なんてないからしょうがないんだけれども。肩が触れないぎりぎりの距離。その距離がなんだかくすぐったくも心地いい。学校であった面白い話(主に授業中に暴走し始めるハンジ先生とか)をしてくすくすと笑っていたら少しだけスミス先生が私の肩を抱き寄せた。心臓が、痛い。

「スミスせんせ…?」

期待してたというのに戸惑ったように出る声が不思議だ。頬がなんだかぴくぴくとする。
近づく顔に目を閉じると彼は微かに笑った。目を開けると途端に軽く触れる。青い目と目が合うと余計に心臓が高鳴った。

ゆっくりと視界が反転してベッドの上に寝転ばされる。持っていたはずのマグは机の上に置かれていた。ちゅ、となんどもくすぐったい唇が触れる。
詰まった息をどうにか出す。

「久しぶりだというのにこんなことしていたら君を不安にさせてしまうな」

「そんなことっ…ないです。」

大人である、いつも抑えこんでいる彼が私を求めてくれるのが嬉しい。そう彼をぎゅ、とだきしめていうとふ、と彼の空気が和らぐのを感じた。

「スミス、せんせ…」「名前で呼んでくれ」「エルヴィン…?」

満足げに笑った彼は私の首元にキスを落とした。白いシャツを肌蹴させて胸元の邪魔な赤いリボンは気づかぬうちにチェーンがとられた。体を這う手と唇に息が荒くなって私は慌てて唇を噛みしめた。それでも激しくなる行為に声を漏らさずにはいられない。
いつものチョークを握る手が教諭用と書かれた教科書をめくる手が私の服をゆっくり脱がしてく。

「ふっ…ぁ…そ、んなとこ…」

ゆるり、と溝を愛でる手が私の頬をそっと撫でる。それが気持ちよくて私はすり寄るように目を閉じるとその手は私の唇へと触れた。





「んっ…ぁ、や、え、るびっ…」

「どうした?」

寒いか、そう聞く彼に私は首を振った。むしろ熱いくらいだ。足から汗が滴り落ちているのが分かる。

「う、しろっ…やだっ、です……ひっ…」

腰をつかまれ向かい合う。汗ばんだ脇の下に彼の手が滑り込んで身体を持ち上がった。首に絡みつくように抱き付き背中に置かれた手には力が入った。指先を立て爪がエルヴィンの肌に食い込んでいく。肩口に頭を埋めて声を抑えながらも彼の動きに合わせる腰は止まらない。

「ふぁ、あ、えるう゛、ぃんっ」

「は、イキそうか?名前」

「ん、あっ、も、だめっ…!」

足先に力が入り彼のものが埋まっているそこまで痙攣が伝わる。彼のものが敏感なところを擦り弾けるような快楽に体が震えた。

「ゃんん!ん、あ、ああっ…!」





ぴくん、とその後も何度も痙攣する体を抱きしめられながら私は彼の腕の中で眠りについた。ベッドの横に落ちているプリーツスカートは気にしない。





ベッドの上の教室





ときちゃんリクありがとううううようやく書き終えました…やっぱりエロヴィン難しいね…やっぱりときちゃんの吹奏楽がベストオブエルヴィン先生だと確信しました(真顔
て、わけでいつもいつもありがとう。(たまにでれる)これからもしくずを
よろしくね!