団長にもなると内地へ行って交渉することは多い。主に貴族や商会との交渉が多く(まれに他の兵団ともあるが)宿は自分らで賄うことなく用意してもらえる。団長補佐になって一年。その調査兵団内ではありえない豪華な待遇にようやく慣れ始めたが今日は一段と凄かった


「…猫足…薔薇…!!!!!」

すらりとした金の猫足バスタブに澄んだお湯。浮かんでいるのは赤や白、桃色の薔薇。取り付けられたシャワーも金色であまりの豪勢さに名前はうっとりと息を吐いた。


「団長!すごいんですお風呂!すごい!」

寝室に戻りそう言うと彼は薄く笑った。茶色のジャケットを脱いでベルトをはずしラフになっているのが私の敬愛し補佐しているエルヴィン団長である。

「もう夕暮れだ。敬語も団長もなし、…分かるね名前」

耳元で囁かれ私の胸はもうどうしようもないくらいに跳ねた。エルヴィンは風呂の用意をすると言ってバスルームへと歩いていき、私は体をベッドへと沈めた。兵団内では隠してはいるが私はエルヴィン団長と交際している。(聡いハンジ分隊長やリヴァイ兵長、そしてミケ分隊長には匂いでばれてしまっているのだが)エルヴィン団長を補佐することになって弱い彼、だけど強い彼、そして無防備な姿などを見て好きにならないわけがなかった。

「いい湯だ。入ろう名前」「え、」

反抗する間もなくしゅるりと立体機動のベルトを外されシャツとズボンを剥かれる。せめて大きいタオルで体を包まれバスルームに運ばれたのは彼の情けとも言えるのかもしれない。

「…やっ、もエルヴィン…恥ずかしいからっ…」

バスタブへ体を沈められたのと同時にぐるりと向きを変えられ抱え込むようされ顔どころか体が熱くなる。お風呂って体を温めるために入るはずだけどもう十分すぎる。熱い。
いたたまれなくなってもぞもぞと体を動かすと下のほうになんだか熱いものが当たる。

「…や、あの。」「…舐めてくれるかい」

バスタブの淵に腰かけた彼。その体つきのいい体とそそり立つソレ。ピンと勃ったソレを見るだけで私はまたどきりとしてしまって吸い寄せられるように先端に舌を這わせた。時折漏れる彼の吐息とぴくりぴくりと動くソレが可愛く愛おしく思えてきて私は顎が痺れてきたのも気にせずに舐めつづける。

「名前」

名前を呼ばれ顔を上げると形の整った綺麗な唇に口付けられる。お湯で唇がしっとりと濡れているのが艶めかしくて触れてもらえるのが嬉しくて私は彼の首に腕をまわしてキスに答えた。

「んっ…ぁ、える、び、や…っ」

座り込んでいた体を立たされ彼の体に支えられるような形になると開いていた足の間に手が入ってきてそっと溝に沿うように撫でられる。ビリビリと電気が走るように気持ちよくなってしまって、彼の撫でる手を濡らしているのはお湯なのかそれとも私のものなのか分からなくなってしまった。ゆるりと溝を撫でていた彼の指は陰核へと移り、優しくしかしどうしようもないくらい気持ちよくさせられてしまう。耐え切れず落ちてしまう瞼をそっと開けると真剣な顔をして私を見つめるエルヴィンと目が合いまた心臓が跳ねた。彼といると寿命がどんどん減っていってしまう気がする。

「このままでは名前が逆上せてしまうな」「…うん」

まさにその通りだ。さすがにお風呂ではやめてほしい。そう思った私はエルヴィンから体を離そうとした。…がそれは叶わず腰を抱かれ引き寄せられる。

「…え、エルヴィン…?」「私が逃がすと思うか?」

ギラギラとした瞳が私を見つめ、体は宙に浮いた。怖くてエルヴィンの首に抱き付いたところでお姫様抱っこされていることに気付いた。
私だって団長補佐だ、生き残るために掻い潜ってきた死線の数は分隊長ほどではないがそれに近い。そんな私の女性にしては筋肉質な体を彼は軽々と持ち上げてステンドグラスのドアを開けた。お風呂に入って温まるはずだった濡れた体は急速に冷えてしまう。熱いのは彼に触れられている部分だけ。
優しくベッドに落とされ甘いキスを落とされるともうどうしようもなくどきどきした。





どうしようもなく、どきり。