彼氏が忙しくて構ってくれない、とか万国共通の悩みだとは思うが私はスケールが違う。そんな自信がある。
なんていったって私の愛した人は調査兵団13代団長エルヴィン・スミスだ。


「わ――――んペトラ――――また!またエルヴィン内地に行っちゃったの!!!」

訓練後食事を終えて人がまばらになった食堂で名前はペトラの入れた紅茶をちびちびと飲みながら泣き言を吐いていた。

「でも明日の夕べには帰ってくると兵長が言っていたけど…」
「私はあと一日も待たなきゃいけないの…」

うなだれた私は紅茶を一気に流し込み席を立った。胸元から取り出すのは皮の紐につながったずっしりと重い鍵。それで他の部屋より豪華な扉を開ける。もちろん外にかかっているプレートには「団長室」と書かれている。シャワーは大浴場で浴びたから部屋の備え付けを使うことはなく、寝間着に着替えるだけ着替えて大きなベッドに潜り込む。
いつも二人で寝ているベッドは一人だとやっぱり広すぎるし寂しい。
(あ、エルヴィンのにおいする)
なんの匂いとも表現しがたいが確かにエルヴィンの匂い。掛布団を鼻のあたりまであげるとその匂いに会えずにいる思いが少しだけ落ち着くような気がした。
「エル、ヴィン…」
寂しいよ会いたいよ早く帰ってきて。そんな純粋な思いとは裏腹に右手はするすると下がっていって内股へと触れた。エルヴィンはどんな風に私を触っていただろうか。
目を閉じて思い出すように触っていく。
「あ…っん……」
布の上から撫でていた指はいつの間にかショーツの中に入っていて右手の中指が中へと侵入してくる。腰が跳ねてぴくぴくとするけれどあのエルヴィンの大きくて骨ばっていて太い、そして愛しい指には叶わない。
「…え、るう゛……ぃんっ……」
彼をぎゅって抱きしめて頭を真っ白にしてしまいたいのにそれが出来ずに私は泣きそうになりながらも指を動かした。
も、いや。いや。イっちゃいたい、のに。
「…エルヴィンっ………」



「どうした、名前」

楽しそうな声と一気に醒めたように冷たくなり冷や汗をかく私。
死 ん だ !
エルヴィンはにこやかに和やかに笑っているが私はそれどころではない恥ずかしい死ぬ死ぬ死ぬ。それくらい寂しかったんだといっそ逆上してしまおうか。いやもういまから一人で壁外調査行って来たら恥ずかしさのあまり巨人を駆逐できるかもしれない。してしまおうか。

頭を抱えてそんな馬鹿なことを考えているとエルヴィンが近づいてくる。
「何をしていたんだ名前」
「っ…え、と…ひゃっ…ん、う」

エルヴィンがそっと私の肩を撫で唇にキスをする。優しく触れたそれだけにびくびくと体は反応して、どんどん深くなる。

「や…ん…っふ、エ…」

彼は楽しそうに笑って(それはまるで肉食獣のような)後頭部を引き寄せて私の酸素を奪った。掛布団は引きはがされ熱くなっていて中途半端に脱げた私の下半身が空気にさらされる。
「そろそろイきたいだろう?」
ゆるゆると溝をゆっくりとなぞられ胸の頂に吸い付かれる。再び熱くなった下腹部に動いてしまう腰。こくん、と頷くとエルヴィンはまた満足げな顔をした。

「…っひゃあっっ……」

欲しくてたまらなかった愛しい指が中に入ってきて私の弱いトコロを適切に突く。
あ、もうなんも考えられない。きもちいいきもちいいしんじゃう…っ!
エルヴィンの体格のよい身体にしがみつき快感に耐えると目の前が白くなっていく。

「んひゃっ…あっ…あっ…エルヴィンイ、っちゃ…」
「可愛いよ、名前」
「える…び、んっ…んっ…ぁ、あぁぁっっ…!」

弛緩した体を抱かれ私は浅く息を吐いた。水を差しだしてくれるエルヴィンが本当に目の前にいると感じ先ほどの恥ずかしさは吹き飛んでなんだか泣きそうになってしまった。

「なんで、はやく帰ってきたの…?」

「交渉がはやくまとまってね、君が喜ぶと思って帰って来たんだが…」

エルヴィンはそっと私に軽くキスをして耳元で囁いた。

「喜ぶ君よりも”イイモノ”が見れたよ」




胎盤が震える







今日は0721(おなにー)の日と聞いてあわてて書いた。