エルヴィン・スミス団長は偉大な人だ。

彼は非情ともいえるが情熱的な人間ともいえる。

「ん…んんっ…えるう゛、ぃんっ…」

まるで赤ん坊のように私の腰を抱き寄せ胸の頂に唇を寄せるエルヴィン。
人間とはただ有能ではいられないらしい。
彼は馬鹿だ。今日の壁外調査で、ベティーナが死んだ。
彼女は栗色の髪が長くて綺麗な女の子だった。エルヴィンが好きになるのは
だいたい華奢でか弱い女の子。だいたいが新兵でだいたいが最初の壁外調査で死ぬ。

「あっ、はぁ……く、くすぐったいっ…」

硬くなった先端からキスを下へおろしていく。腹部にキスされるとくすぐったさで腰が浮いた。
ツェツィーリエだってエマだってイーナだってそう。みんなエルヴィンを愛し愛された彼女たちはみんな壁外調査で死んで私は生き残った。
濡れた金の短い髪をくしゃり、と抱きしめる。いつもぴっちりと額でわけられた髪がこういうときだけ乱れているとなんだか興奮してしまう。

「名前、かわいいよ、」

うそ、そんなこと思ってないくせに。そう思いながらも筋肉質な体に支えられ秘部を撫で上げられるとすべて忘れられるような気がした。
「あ、っうぁ、あ…あっ……」

どこからかなにかが押し寄せてくる感覚がして体がじんじんと熱くなる。
声を漏らすものか、と歯を食いしばったもののびくり、としたのはエルヴィンにばれてしまったらしい。
いつもの部下としての私に見せる穏やかな笑顔ではなく、まるで肉食動物のようなぎらぎらとした目で笑う。
そんな顔を見ていると胸がどきどきとして子宮がきゅんと縮んだ。

「…やっ…ねぇ、えるう゛、ぃん…!急にいれち、ゃ…やっ…」

ぐちゃぐちゃに濡らされたところにエルヴィンの一際大きなモノが入ってくる。
太い首に抱き付いて目をつぶる。暗い中でくちゅくちゅと卑猥な音が鳴るとただでさえ熱かった体にまた熱が集まるのが分かった。


「エルヴィン、すき」

快楽の最中漏らしそうになったその言葉は唇を噛んで飲み込んだ。

頬や額や、そして体に与えられるキス。
しかし唇にだけは触れないそれは私と彼の境目をたまに思い出させる。







好きな子が死んでしまう。




人を愛すとその子が死んでしまう死神系エルヴィン。そしてほんとは好きなのに死んでしまうかもしれないから言えてないといいなっていう。