※エレン目線

調査兵団の参謀隊長、名前さんはとても綺麗な人だ。色素の薄い金茶色の髪、華奢な肩にさらりとかかる艶やかな髪。立体機動のベルトの固定ベルトで締められた体のラインは女らしく細い。そしてにこりと笑うと調査兵団内に花が咲いたように空気が明るくなる。

廊下を歩いていたらエルヴィン団長に託されてしまった名前さん宛ての書類。こればかりは役得と思いながら廊下の突き当たりの名前さんの部屋の扉を控えめにノックする。

「はーい、あ!エレンくん」

今日はハンジのとこで実験ないの?お茶でも飲んでいきなよ。と部屋へ招き入れてくれる。
彼女の部屋は俺と同じ備え付けの家具と少しの雑貨で成り立っているが全然違う、鼻を擽るいい匂いにどきりとする。
名前さんはそんな俺の心情に気付くことなくソファを勧め紅茶を出してくれた。

「エレンくん、実験とかされてて大丈夫?嫌だったら私、ハンジに言うよ?」
人類を守るためといってもあなたにも人権はあるんだから。と当たり前のようにいう名前さんになんだか目頭が熱くなった。ああ、好きだよこの人が。巨人になんて関わらず一般の人みたいに平和に暮らしてほしい。でもそうでなければ俺はこの人に会えなかった。

先ほどのエルヴィン団長からの書類をキャビネットにしまう名前さんを追い詰めて右腕をつく。逃げ場がなくなった名前さんはきょとんとして俺を見つめた(結婚しよ)

「俺!名前さんが好きです!!!俺は巨人だし兵士としても弱いかもしれない、でも名前さんのこと守りたいんだ!」

彼女の大きく開かれた紅茶色の目が俺だけを見ている。なんだか背中がぞくりとした。
名前さんの顔が上を向いてふわり、と近づいてきた。それと同時にいい匂いと柔らかいもの。キスされたのか、と気づいた瞬間に顔に熱が集まるのがわかった。

「ありがと」

わたしも好き、そう俯いて言う彼女の耳も赤くなっていて。横髪が邪魔で顔が見えない。金茶色の髪をかきあげて正面を向かせてもう一度口づける。少し厚めで柔らかい唇。彼女のあの唇に触れているのかと思うと痺れるような心地がした。ちゅ、と跳ねるような音がして名前さんが俺の茶色のジャケットを握りしめた。ああ可愛い。

「名前さん好きです」「恥ずかしいよエレン」

恥ずかしいといいつつ穏やかに笑う彼女をぎゅうと抱きしめる。




君がキスしてくれるなんて思ってもみなかったから
(なあエレンよ…名前と付き合い始めたらしいじゃねぇか)(え、なんで兵長知って…ぶっ!!!!!)






とにかく壁ドンエレンが書きたかっただけ(^q^)