▼揚里家
数珠は揚里が太夫の時に付けていた一番大切な簪から作り上げた品だ。
あの簪が今こうして手にある。
揚里が揚里だと言う証がここに有ると言うことは…もう居ないという証。
だが、千切ろうにも千切れない。
(──…貴方を、愛する)
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