夜明けまで続いた凌辱は幾度果てたのか覚えていない。途中気を失っても暫くして目を覚ますとまた求められ、次第に抵抗する気力すら無くしていた。
***
「なまえ、起きて」 「…もう…無理…」 「フフ。もうしないよ」 「…全部、痛くて…動けない」
なまえの身体中に残る痛々しい痣と鬱血の痕。そこまで酷くしたつもりは無かったけれど無我夢中で手加減出来なかったのは事実だった。
「身体洗ってあげるから」 「……………」
ろくに立ち上がる事も出来ない程、足腰に力が入らない。支えられながら浴室へ向かうと軋む身体を綺麗に洗い流すアカギのその優しい手は昨晩とは別人のようになまえを慈しむからどうしていいか分からなくなった。
「アカギさん…もう…酷い事しないで…」 「酷い事なんてしてないだろ」 「だって無理矢理」 「フフ…あんなに何回もイっといて無理矢理なに?」
可愛い声で鳴いてたじゃん
「…最低…」 「ごめん、悪かった」
謝っていても悪びれた様子もなく「じゃあ上がる時に声かけて」とまるで自分の家みたいに平然と部屋に戻る姿を苦々しく見つめながら湯船に浸かると下腹部がちりちりと痛む。
(夢だったら良かったのに)
この痛みが"現実なんだ"と嫌でも思い知らされる。
「…上がります」
ふらつく足元をどうにか奮い立たせて彼を待つ。懐柔された訳でも服従した訳でも無い。ただ、胸の奥に引っ掛かる違和感の理由を知りたいだけだとなまえは自分に言い聞かせた。
軽蔑の色
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