▼神域
「ひろくん、可愛いなぁ」喫茶店で隣に座る赤木に話しかける彼女は先程まで一緒だったひろゆきが気に入ったようで。「お似合いじゃねぇか。俺なんかやめてひろと付き合ったらどうだ」「…あ、もしかして妬いてます?」けろりとした顔をして他の男の話をするなよ。
▼アカギ
一緒にいても身体を重ねても足りないこの想いはどうしたらいいの。愛しさが溢れてとどまることを知らない。ならいっそのこと溶けて混ざり合って消えちゃえば楽になるのに。
▼アカギ
この人と恋がしたいと思った。今までしたことが無いような、恋がしたい。「何?」「いえ、どうぞ」私が渡したハイライトを胸ポケットに押し込んだ彼の後ろ姿を見送る。店番を頼んだおばあちゃんに感謝した、ある日の出来事。
▼アカギ
大きく振り上げた手のひらがアカギの頬を打つ。パチンと乾いた音が部屋に響いて、叩かれた頬を押さえながら黙ったまま彼女の言葉を待っていた。
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