僕の下で喘ぐ女
喘ぎ声がうるさいから口を手でふさぐ
息苦しいのか僕の名を呼ぶけれど
僕が聞きたいのはそんな声じゃない
もっと綺麗な、もっと無垢な、そう
なまえみたいな声
いや、なまえの声なんだ
“リーマス!”
女を見ないように目をつぶれば
僕を呼ぶ笑顔のなまえがいる
僕は彼女を脳内から追い出すように
女を激しく揺さぶった
激しくすればするほど
彼女の声は大きく聞こなった気がした
「またね、リーマス」
そう僕にキスをして彼女は出て行った
彼女の唇の感触がとてつもなく嫌に感じて
唇を拭った
これでまたなまえと離れられた
そう感じた
いや、そう感じるしかなかったんだ
君を忘れなければ僕はダメになってしまうから
君の幸せを奪って泣かせてしまうから
君をめちゃくちゃにしてしまうから
だから僕はあの女と肌を何度も重ねあわせる
瞼の奥に、鼓膜に、
確かに愛しい君を感じながら
初めての秘密
(君を想って女を抱くこと、この恋心)