今年初めての雪
空を見上げれば限りなく降ってきて
一つ私の頬に乗って溶けて、滑り落ちた

『私の気持ちみたいね』

一人つぶやいて雪を手に集めてみるけど
それはすぐに溶けてしまう

冷たくなった手をすり合わせて
渡り廊下から真っ白なホグワーツを見ていれば

「Msみょうじ、」

大好きな人の声
だけど今はちょっと会いたくなかったかな

『スネイプ先生何か、?』

「いや…」

歯切れの悪い先生は初めてみる
だけど私は一生懸命平然を保つ

『あ、』

先生の頭に雪が多少ついていた
きっと外で薬草でも取ってきたのだろう

『先生頭に雪が…』

手を伸ばすが身長の低い私が
身長の高い先生の雪をとるには遠すぎた

『ごめんなさい、とれませんでした…』

ぺこりと謝れば気にするなと
自分で雪をはらって優しく言ってくれた

『先生、』

「なんだ」

『この前のことで…』

「もう、気にするな」

『でもっ、』

「もういいのだ。お前がそれほど気にするならば
今回は特別に許す、これでいいですかな?」

『先生っ』

私は笑った
笑ったのなんか久しぶりだった

「やはりお前には笑顔が一番だな」

『え?何か言いました?』

「いや。
ほら、そろそろ戻らんと風邪をひく」

『はーい。
あ、スネイプ先生今度また』

「部屋に来てもいいか、だろう?」

『えへへ、はい。』

「………質問に来るなら良かろう」

『わかりました!お菓子持って
質問に行きますね』

わかったわかったと先生は困ったように言って
いくぞって歩き出した

仲直りできてよかった
今度先生の部屋にお邪魔するときは
あまり甘くないチョコケーキでも作っていこう









届かなかった指先
(今は届かないけれど未来はきっと、)




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