私の好きな人はとても背が高くて
いつも真っ黒のお洋服を着ておまけに髪も真っ黒で
いつも眉間に皺を寄せている

歳だって一回りも二回りも違うから
私はこの恋を秘密にするの

『先生』

「またお前か、Msみょうじ」

『懲りずにまた来ましたよ』

うふふと笑えばはぁと大きなため息
このため息を聞くと胸がぎゅうってなるけど
私は先生が大好きだから我慢するの

歩き出した先生の隣を歩いていれば
何の用だと問われるが
私はただ先生に会いたいからここにいるのだ
理由なんてない

『別に何も用事はありません』

「じゃあさっさと、」

『嫌!』

きっぱりと言えばまたため息

『まだスネイプ先生の紅茶、飲んでないもん…』

しゅんとなった私を置いて先生は歩いていく
今日は紅茶くれないのかな
密かな放課後の楽しみになっていた
先生の煎れてくれる紅茶は
しっかりとした香りなのに柔らかくて美味しい

「みょうじ」

『…?はい。』

「……今日は新しく茶葉を変えたのだ」

『そうですか、』

そうか、新しくしたんだ
私は飲めないけど先生に飲まれる紅茶はさぞ幸せだろう

「……だから」

『?』

「今日だけなら、飲ませてやってもいい」

『!!いいんですか?』

「……早く来い」

『先生っ!』

先生の元へ駆け出す
隣に並んで見るとやっぱり先生は大きい

「あまりジロジロ見るんじゃない」

『先生って背が高いんですね』

「育ちすぎた蝙蝠なんかと言われるがな」

自嘲の笑みを零した先生の横顔は
どこか寂しそうだった

『素敵、だと思いますよ
私も早く先生と……』

「我輩と?」

『言いません!秘密です、ふふっ』

「……なんだそれは」






あなたの見る世界
(早く貴方と同じ目線になりたくて)




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