『別れて、欲しいの』

なんでだと彼が私の肩を掴んで揺さぶる
私はただ俯いて謝るしかなかった

『もう、自分にも貴方にも嘘つきたくない』

彼は勝手にしろと私を突き飛ばした
振り向きはしなかった
その方がいい、彼の為にもなるもの
人通りがない所でよかったなぁなんて、

だって今リーマスに会ったら
すがりついてしまいそうなんだもの




「なまえ?」

『リー、マ…ス』

「どうしたんだい!?転んだの?」

『どうして…?』

「どうしてだろうね」

くすりとリーマスは笑った
手を伸ばされて起こされる

『あり、がと…』

「なまえはおっちょこちょいだからね」

『本当だよね、ごめん…』

「謝らなくていいよ。それがなまえらしいからね」

リーマスは私の頭を撫でてくれる
リーマスの手は暖かくて優しくて
思わず涙がこぼれた

「なまえ………泣かないで」

『り、…ます』

ぎゅっと抱きしめてくれるリーマスが
やっぱり愛おしい

「…ゆっくり泣けばいい
僕は此処にいるから」

私はリーマスにしがみついて泣いた
今までのこと全部忘れたかったから




『リーマス…』

「……もう大丈夫かい?」

『ありがとうね…、あのね、』

好きです
そう言おうと思っても声がでなかった

それはきっと無意識にだけれど
想いを告げてしまったらもう二度と
リーマスと友達には戻れなくなってしまうと
わかってしまったから

「なに、?聞こえないよ」

『…ううん、いいの
本当にありがとうリーマス
私、もう行かなくちゃ』

またねとリーマスにに言って
私は廊下を駆け抜けた














近すぎて近付けない
(言ってしまえばもう二度と引き返せない)




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