「ほら、ユキ」

『んー!んー!』


目の前には大好きなチョコレートケーキ
フォークに刺さった美味しそうな物を
ずいと差し出す私の彼氏

「ほらほら、美味しそうだよ？」

ちょ、やめてリーマス!
笑顔が素敵すぎる。すごくいい笑顔っ!

『もう!』

せっかく、せっかく我慢してるのに…!

『意地悪しないでよ!』

そう言えばリーマスがすごくいい笑顔を浮かべて

「僕の生き甲斐は君の困った顔をみることだからね」

なんて言った
(そうだ。リーマスはドSだったの忘れてた)

「ユキが食べないなら僕が食べちゃおうかな」

『あう…ケーキ…』

「ダイエット中、なんでしょ？」

……もう嫌ですこんな彼氏
(やっぱりケーキはリーマスのお腹に消えました)


ふて腐れていればぽんと頭に乗る何か

『？』

一瞬のことで何があったかなんてわからなかったけど
口に入っている私の好きな飴玉が
リーマスが私に口移し(つまりはちゅーした)
をしたということを示していた


「我慢のしすぎはよくないからね」

『…甘いね』

「飴だからね」

『違う、いや、どっちも…かな』

どちらからともなく笑顔になって
どちらからともなくまたキスをした