霜焼け


『寒いね』

「当たり前だろ、冬なんだから」

そう言えばこいつはそっかなんて笑うんだ

『見てジョージ!雪うさぎ!』

そう言って作ったうさぎを俺に見せるユキの顔と手は
寒さで赤くなっている

「はいはい。ほら、早くこっち来な」

『待って…うさぎちゃんを、』

ユキはうさぎを優しく木影に置いた

『影のある所なら少しでも長く
残っていられるでしょ?』

嬉しそうに俺に駆け寄ってくるユキを抱きしめる

「ったく。ずっと雪で遊んでるから
体冷えちゃっただろ」

ユキを後から抱きしめ直して
手を温めてやる

『あったかーい』

「でもまだ冷たいな…早く暖炉で暖まろう」

『んー、私はあと少しだけここにいたいな
だって外にいたらずっとジョージと
こうやってくっついていられるでしょ?』

そう言ってユキは俺の手を握りかえした

心の奥になにか暖かいものが滲んだ
きっとこれは“愛おしい”という物

「ユキ、」

『んー?』

「愛してる、世界中の誰よりも」

『ふふっ、私も!
ジョージを世界中の誰よりも愛してる』




それからしばらく外で手を繋いで散歩をして
二人で寮に戻り暖炉に寄り冷えた体を暖めていれば
談話室にいた他の奴らは
いつの間にかいなくなっていて
後であいつらに悪戯グッズでもやろうと
密かに思った

『ジョージー』

俺の膝に乗っているユキが不意に俺を呼んだ

「何?」

『さっきから黙ってるから寝ちゃったのかと思った』

「考えごとしてたのー」

『何を考えていたの?』

俺に寄り掛かるユキの重みが心地好い

「俺、今すっげえ幸せだーって。考えてた」

『ふふっ』

「何がおかしいんだよ?」

『ジョージ可愛いなあって
私もジョージと同じ気持ちよ』

それはきっとずっと
同じだと私はそう思うの

そう言って彼女は俺に触れるだけのキスをした

『だからね、ずっとずっと
おじいちゃんおばあちゃんになるまで
一緒にいてね?』

「……離れたら許さないからな」

『ふふふっ、望むところです!』


二人して噛み付くようなキスを交わして笑った













(僕と結婚してくださいはまだ言ってやらない)


prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -