仕返し


*現パロです







『ジョージもっと早くー!』

風を切る音と荷台に乗る君の声が
僕の周りに響いていた

「そんなこと言うならもっと痩せろよな。
いってー!何すんだよ!」

『女の子にそんなこと言うからだもん』

ふんといつもは見れない俺を見下ろすユキを見れば
やっぱりちょっとだけ不機嫌顔
コロコロと変わる表情についおもしろくて笑ってしまう

「お前なー…。
…そうかそうか、ユキがそんな態度ならな、」

ガタガタと自転車を左右に揺すり振動を与える
もちろんユキが落ちないように

『ちょ、ジョージやっ、やめてよ!』

俺の肩に手をついて
荷台から遠くを見ていただろうユキは
今じゃ荷台に座り俺の腰にはぎゅっと掴まる始末だ

「やめねーよっ」

『きゃぁぁぁ!怖い!怖いから!』

「なら謝るか?」

もう少し強くするかと揺すれば
また俺のシャツを握る力が強くなった

『謝る!謝るから!』

それならと止めてやれば
後ろで泣きそうな声

『ジョージの、ばかぁ…っ』

「あー、…悪い、」

『ほんとだよ、怖かったんだから』

俺の背中に額をくっつけるユキ

『でも、』

「ん?」

校舎が見えてきた
だけどいつもなら恥ずかしいからと離す手を
今日は離そうとはしない

『でも、殴ってごめんね…?』

痛かった?と横から見られれば
ああもうなんてかわいいんだ
とか思っちゃって
俺はどうしていいかわからなくなった

「大丈夫、それよりもう学校だぞ」

『ん、わかってる』

「今日はシャツ、離さないのな」

『あ……うん。まぁいいや。
なんか今はジョージにくっついていたい』

「そ、か」

後ろでまた調子づいた声で
嬉しい?嬉しい?
としつこかったからキスで塞いだが
まぁそれも許してくれるだろう
















(部活終わったら迎え行くから帰んなよ)
(じゃあ教室にいるね)
(わかった)
(じゃあまた放課後ね!)
(…ユキ!)
(ん?)
(ちゅっ)(!!)
(じゃあな)



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bkm
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