すーすーみんと


綺麗な声だね

ふとそう言われて振り向けば
リーマス・ルーピン君

「タケウチさんの声って澄んでて聞いてて気持ちいい」

続けて、と言われたからまた前を向いて
歌いだせば後ろでとさっと地面に座る音がした


しばらくして歌い終われば拍手をされた

「すごくよかったよ」

『あ、ありがとう』

「こちらこそ。今日みたいに
ちゃんと音楽聞いたの久しぶりだよ」

またレコード聞いてみようかなって笑う彼


『ルーピン君』

「なぁに?」

『これ、喉飴なんだけど』

よかったらと言い切る前に彼に取られたそれは
ぽいと彼の口の中に入っていった
私も口に入れればミントが鼻を通り
すうっとした空気にしてくれた気がした


「すーすーするね」

彼は苦笑いをした
もしかして喉飴嫌いだったかなぁ

『ごめんね、嫌いだったよね
これ使って?』

ティッシュを渡せば返される

「いや違うんだ
僕は甘党だから苦いものが苦手でね」

『そうだったんだ…私なにも知らなくて、』

「それは僕もだから
僕もタケウチさんのことよく知らないし
今日だってたまたま声が綺麗だなぁって
みつけたくらいだしね」

だからさ、これからお互いのこと知っていかない?

そう口の中で飴を転がすルーピン君は
どこか楽しそうだった


『はい…よろしくお願いします』

クスクス
「はい。こちらこそよろしくユキちゃん」

『あ、名前…』

「同級生だもん知ってるよ」

『…リーマス・ルーピン君』

「そうですよ」

またクスクス笑う彼を見上げればミントの香


















(本当はミントがちょっと苦手)
(だけど君が気になる方が僕には大切)


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bkm
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