愛し愛されたくて


貴方をずっと想いました。
いえ、ずっと想っています今も。
だけど貴方は違う人を見ているのね
それはとても悲しくて、

ねぇ大好きよ
そういえば貴方は苦虫をかみつぶしたような顔をしたね
困らせたかったの
だってずっとあの子ばかりみるから

『セブルス、』

本から目を離さないでどうした?
なんて言う貴方がちょっとだけ憎い

『本ばっかりみないで私を見て』

「…お前、よくそんな恥ずかしいことをすらすらと」

『恥ずかしくなんかない。本当のことだから。』

彼の目をみて諭すように言えば本を閉じて私に向き合った
その行動に嬉しさを感じたのもつかの間
貴方の目線は違う女の子に向かう

『リリーばっかり…』

「違っ」

『何が違うのよ!!』

私は彼の腕を振り払い走った
貴方と付き合っているのは私なのに
愛しているのは私なのに
ずっと一緒にいたのも私なのに、
私はただただ走った行くあてもないのに

辿り着いたのは禁断の森の小さな小川
ここで私とセブルスは出会った
初めてあった時の言葉も貴方らしかったね
覚えてるかな?貴方は薬草の話をしたんだよ

「セブの、…ばかー!!!」

大声で叫べば烏が数匹何処かへ飛んでいった
いいな烏は、
涙なんて出ないし何処にでも飛んでいけるもの

『リリーと、セブルスのいないところへ行きたい……』

もうリリーを見るセブルスは見ていられない
見たくもないから
涙が零れて小川に不規則な波紋を作る

「お前の方が馬鹿だろう」

振り返れば息を乱したセブルスがいた

「ユキっ話を、!」

『いやっ聞きたくない!』

その場にうずくまれば背後から抱きしめられる

「頼むから聞いてくれ…っ」

『私、もう堪えきれない。別れ』

別れたいと言おうとすれば目の前にはセブルスの黒髪
あぁセブルスの黒に染まって消えてしまえたらと
長い口づけを受けながら思った

「僕はリリーのことが好きだ
だけどリリー以上にユキが好きなんだ」

『今は貴方のこと信じられないの』

「じゃあこれから示していく
お前が不安にならないようにするから
だから…、」


別れたいなんて言葉は口にしないでくれ
その言葉への返事はまた唇で塞がれていえなかった

















(愛を示して全身全霊をかけて)


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bkm
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