君の手を引いて


「うわっ!」

「フィルチだ!」

「「ユキ早く!」」

朝から私は悪戯をしています
今日は私の作ったクッキーに双子が作った
チョコレート味のおでき薬を挟んだ
それを食べたフィルチは顔中おできだらけで顔がはれていた
うーんちょっと今回のは効果が強くないかなぁ?

今日の反省をしていればもう後ろに迫る先生
うわ、ほんとひどいやあの顔

「待たんかこの馬鹿どもー!!」

待てと言われて待つ人がいたら見てみたい
とくだらないことを考える暇も今はなさそうだ

「相棒!」

「そうだな!」

私の腕を掴んだのはジョージ
二股に別れる廊下を別々になる私達

『ジョージっ!なんで、?』

「ユキ疲れてるだろ、無理すんな」

大分走っているはずなのにあまり息を乱していないジョージと
規則的にはぁっはぁっと息をする私
思ってたより疲れてるんだなと実感した

ゆっくりスピードを落とすと後ろから足音はしない

『まいた…?』

「そうみたいだな」

『フレッド大丈夫かな?』

「相棒なら大丈夫さ」

『自信満々だね』

「双子だからね、奴のことは何でもわかるさ」

なんだか二人がすごく羨ましかった
信頼しあってるっていうか、そんな感じ

ジョージを見れば頬にうっすらと汗の筋
やっぱりジョージも少しは疲労を感じているんだと思った

『ジョージ、ちょっと屈んで』

「?…こう?」

『そ、』

ハンカチで汗を拭ってあげる
やっぱりジョージはおっきいから
屈んでもらっても少し高くて背伸びをした

『はい!もういいよー』

「…ん、ありがとう」

行こうと私の手を引いて談話室へと向かうジョージの顔が
少しだけ赤かったような気がした
自然に繋がった手を見て次に照れたのは私だったけれど
談話室への道が少し長くなればいいのになんて
思ってしまう私はきっと、


















(きっと貴方のことが好きなのでしょう)


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bkm
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