ため息シャボン



ふぅ、それをため息と一緒に飛ばすの
それも同時に消えればいいのに

どうしたと抱きしめてくれる色白だけど
しっかりとした男の人の腕
私は彼のローブを掴む

『なんでもないですよ』

「…そんなことはなかろう
さっきからそればかりではないか。」

それ、と指差すのは私の持っているシャボン玉液

近くの棚にガラス容器に入れられた液体を置いて
彼に向き直り私も彼の背に手を回した

『本当に大丈夫ですから』

彼は黙って私を撫でた

「……我慢はするな、」

『…はい』

「隠し事もするな」

『…はい』

「我輩を頼れ」

『はい』

「辛かったら泣け、たくさんな」

『…っ』

「いつでも支えてやる」

『……!!』


私は泣いていた、声を堪えて

「シャボン玉とため息を飛ばすな」

わかっていたんだ、全部

「何の為に我輩がいるのかわからないだろう」

『先生、』

もう泣き止め、と少し強引なキス
嗚呼私が欲しかったのはこれだとそう思った

空を見上げれば曇天の空から光がさしていた

















(いつでも君には幸せでいて欲しいんだ)


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bkm
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