黒い笑みした王子様


もしかしたら私はとんでもない所にいるかもしれない

皆さんどうもユキ・タケウチです
現在私は棚と壁との間におります
自分でもよくここを見つけたと思う
でもなんで隠れた私!!

授業中できなかった呪文を一人空き教室でやっていれば
入ってきたのはリーマス・J・ルーピン君と
名前はわからないけれどとっても綺麗な人が入ってきた

これはあれですか
逢い引きというやつですか

なんかこれからにゃんにゃんいちゃいちゃ始まるなら
私はすぐさまこの場から消えたい

にゃんにゃんを聞くなんて御免被るがどうやらそうでもないらしい

「ルーピン君…その…私、貴方が好きです!」

少し間をおいてからルーピン君が

「ごめん、君の気持ちには答えられない」

「何故ですか…?好きな方でも?」

「…好きかどうかは怪しいけど気になっている子ならいるよ」

女の子が泣きはじめる
それを宥めるようにルーピン君は
彼女の頭を撫でた

「僕じゃ君を幸せにしてあげられない。
君にはもっといい人がいるよ。」

その言葉を聞いてもう何を言っても無駄だと思ったのか
女の子は行ってしまった

はー、初めて告白現場を見てしまった
ちょっと大人になったね私
自分をよく気配を消していられたと褒めていれば
この場に相応しくない音がした
え?舌打ち?私してないよ?


「…ったく何故、どうしてってうるさいなぁ
あんなブスじゃ誰だって嫌だろうに」

えールーピン君ってこんな人だったのー!?

「しかも女ってすぐ泣く
泣けば落とせるとでも思ってるのかな
甘いんだよねー、チョコより甘いよ」

チョコを取り出しもぐもぐと食べるルーピン君は笑顔だった

あわわわ、告白だけじゃなくてこっちも大変だー
これは私だけの秘密にしておこう、うん!

ふと壁を見れば私の天敵の黒い悪魔様…

『いやぁぁぁぁぁあ!』

あ…
出てきちゃった

ルーピン君がこちらに向かって歩いてきて
通称G様を浮遊呪文で外に出してくれた

『あああ、ありがとう!ルーピン君!
今日も清々しいお天気だね!』

「今日は曇りだよ、しかも雨もちらついてるしね」

もうルーピン君の笑顔が怖い
超笑顔

「タケウチさんはいつからここにいたのかなぁ?」

じりじりと距離を詰められ気がつけば壁に身体がついてしまった
彼とは鼻と鼻がつきそうな距離

『ルーピン君が女の子とはいってくる所から…です』

「つまり最初からだね」

『…ハイ。あ、でも私言わない…っ、から』

手首を捕まえられ壁に押し付けられる
上からはくすくすと笑い声

「タケウチさんからかってると楽しい」

顔を上げれば本当に近くてキスしそうだった
もう私の顔は真っ赤なんだろう
何でもするから離してくれー!

「へぇ何でもするんだ」

え?声に出てた?うそーん

「君の考えることは手にとるようにわかるよ。
ほら、君単純だから!」

『…左様ですか』

「じゃあ僕の奴隷になってもらうよ」

『はいはい、わかりま…し…えぇぇぇ!?』

「…うるさいなぁ」

『すみません…』

「何でもするって顔に書いてあったからさ
これからよろしくねユキ」

ルーピン君との距離が縮まってそれは0になった

















(こんなチャンスを棒に振るわけないじゃないか)
(さよなら私の平和な学校生活…)


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