もう一回


彼と付き合って初めてのホグズミート
いつもは行きたがらないのに珍しく誘ってくれた
そのことだけで私の心は暖かくなったの

だから今日はいつもより少しだけおしゃれをした
髪は少しだけ上に結わえて
誕生日にセブルスにもらったピンをつけた


『セブルス!』

「…あぁ、行くぞ」

そっけない彼だけど顔が真っ赤だったのは
今日の努力の賜物だといいな
セブルスの半歩後ろを歩く

するとすっと手が触れた
どちらからともなく手をつなぐ

『今日、寒いね』

「そうだな。」

『あのね、私ハニーデュークス行きたいの』

「わかった、あいつらがいなかったら
僕も一緒に入ろう」

『いなくても入ってよー』

「……ユキがどうしてもと言うなら、」

『やった!セブありがとう!』

背の高い彼を見上げればぎこちなく
頬を撫でられた

「やっぱり冷たいな」

『大丈夫、こうやってセブにあっためてもらってるもん!』

ぎゅっと手に力を入れれば彼もそれに応えてくれた
ハニーデュークスにつきやっぱり甘い匂いにセブルスは嫌そう

『きつかったら外出ててもいいよ…?』

「大丈夫だ。僕よりお前が心配だ、
小さくて皆に踏まれないかがな」
とクスクス笑うセブルスに頬を膨らませてみせれば
すまないと反省の色もなく言われた


買い物を済ませるとでバタービールを買った
人混み嫌いの彼の為に談話室で飲むことにした


『はー、疲れたね。人がいっぱい』

「あぁ、やっぱり人がいないと落ち着く」

『でもセブルスとこうしていられるのもあとちょっとだね』

セブルスの肩に頭をのせれば
バタービールを飲みながら髪を撫でられた

「そうだな、」

『セブルスと手を繋げる時間も少ないし
こうして自由に甘えることもできないし』

「今日はいつも以上に甘えたなんだな」

『だって寂しいんだもん。セブルスが大好きだから』

彼の胸に頬を寄せればひょいと抱き寄せられ
膝の上に乗せられた
こんなに細いのにどこにそんな力があるのか不思議なものだ

「これからはもっと時間を作るようにする。」

『本当?』

「あぁ。だからそんな顔するな」
私は泣きそうな顔をしていたらしい
胸のきゅうとなる締め付けと共に彼を抱きしめた

すき、スキ、好き

「ユキ、」

何?と顔を上げればキスをされた
初めてのキス
ちゅ、ちゅと啄むような優しいけれど
どこかぎこちないキスに私は確かにセブルスを感じた

唇を離すのが名残惜しかった
『ん、……』

「…もう一回していいか?」

『……いいよ。』

それからまた唇を重ねた
また唇を離すと貴方はこう言うの

「……もう、一回していいか?」

私は貴方に言い聞かせるように言うわ

『気が済むまでいくらでも、』























(…んっ)
(もう一回)
(もう皆帰ってきちゃ…っ!)
(いくらでもと言ったのは君だろう)


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bkm
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