向日葵


今日はなんの日でしょうと言われれば
私は真っ先に貴方と私の日と答える

目の前には美味しい紅茶と
ハニーデュークスの大好きなシフォンケーキ
いつもなら私はすぐ飛びつくけれど
今日はそれよりも大事な日

『ねぇ、セブルス』

「なんだ」

目の前の彼はいつものように
レポートの山とにらめっこ
私の方なんてちっとも気にしてくれない

『まだ終わらないのー?
早く一緒にケーキ食べようよ。』

「先に食べてていいと言っただろう。
我輩はレポートの採点がある」

採点する価値もないがなと続ける恋人
私は彼まで近づいて後ろからぎゅっと抱き着いた
ちょっとくらい寂しいのに気づいてくれたっていいのに

「……我輩はまだレポートの採点中なのだが。」

『見ればわかる。セブルスを待ってるの』

「だったらそっちで待っていろ」

私が抱き着いても涼しい顔で採点をつけている
私はこんなに今日を楽しみにしていたのに

『セブ?』

「…なんだ」

『今日なんの日か知ってる?』

「…今日は何かあったか?」

覚えがないと言う彼に
こんなに好きなのは私だけなのかと寂しくなった

用意していた一輪の向日葵をセブルスの胸ポケットにさす
すっと彼から離れ寝室に向かった


今日はセブルスと想いが通じあって半年たった記念日
でもセブルスには今日が何の日かも
わからない程どうでもいいことだったみたい

セブルスの匂いのするベッドに
包まれば余計に彼が好きだとわかって涙がでた

その時ドアが静かに開き、閉まった

「ユキ、」

『…レポートは終わったの?』

ぶっきらぼうに放った言葉
私ってかわいくないなぁ

「あぁ、だからこっちでお茶にしよう」

ベッドに彼が腰掛け反対側を向いていた私を
くるりと自分の方に向かせ涙を拭った

「…記念日であろう。」

『え……?』

「今日で、ユキと我輩が付き合いを始めて半年だな。」

忘れてなかったんだ
そのことだけで私の機嫌は良くなる
なんて単純なんだろう私って
だけどセブルスだからかななんて思うんだ

『忘れてると思ったよ、』

「そんなはずなかろう。少しいじめすぎたようですな。」

今度は唇で涙を拭ってくれて
二人でお茶を楽しんだ


『向日葵ってね
あなたを見つめるとか敬慕って
意味なんだよ。』

そう言えばセブルスはそっと
左手の薬指にキスを落としてくれた
それはそれは甘い言葉も添えて













(ずっと私はセブルスを大好きでいるよ
だからね、セブルスも私だけを見ていて?)


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bkm
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