恋とやらをしています



俺は今恋とやらをしている
よりにもよってエロール
あ、エロールって俺ん家の梟な
あいついつも窓ガラスにぶつかって
まともに手紙が持ってこれないダメなやつなんだ
って梟の話じゃない!

そのダメ梟と遊びながら絶えず笑顔を見せるユキだ
俺が恋をしている相手は
くそーエロールばっかりずるいぞ!
俺もユキに頬擦りされたいっ

ふとユキがこちらを見た
もしや俺心の声出てた?

『フレッド、どーしたの?
なんかニヤニヤしてたよ?』

「ん?い、いやなんでもない!」

『そっか、エロールにクッキーあげてもいいかなぁ?
私昨日作って余っちゃったの』

「あぁ、構わないぜ。こいつ何でも食うし…って
ユキが作ったクッキー…?」

『うん、女の子だけにあげたの』

俺に見向きもせず
エロールに美味しい?なんて尋ねるユキに
また可愛いいななんて思った


「……食ってみたかったなー、ユキのクッキー」

本当に無意識にぽつりと言えば
エロールを撫でるユキの手が止まった

『あ、あの…ね、』

「ん?どうしたユキ」

『…えっと、フレッドがさっき言ったことが本当なら
これあるから、その…』

ユキがおずおずと出してきたのは
さっきエロールにあげていたクッキー
彼女らしい白の包みに真っ赤なリボン
そこに綺麗な字で俺の名前が書いてあることが
余計に嬉しかった

「えっくれるの?俺に!?」

こくりと頷く彼女

「うわ!すっごく嬉しいよ!食べていい?」

『うんっ…!美味しいかどうかわからないけど…』

ユキの手作りが美味しくないわけが
ないじゃないか!
そんな言葉を押し殺してリボンをとき一口食べてみる

「うん!美味い!本当に美味いよユキ!」

『!…よかったぁ』

それからユキのクッキーは
たくさん入っていたのに気がつくときれいになくなっていた

「あー、もう食っちまった。
でもユキのクッキー美味かったよ」

ありがとなと頭を撫でればユキは
どういたしましてなんて言うんだ
しかも俺の好きな笑顔で

改めてユキが愛しいと感じた昼下がりだった















(今度はチョコ系が食べたいな)
(ガトーショコラなんかどう?)
(おっいいねー!)
(今度作ってみるね!…作ってきたら食べてくれる?)
(もちろん!(だって君の手作りだもん))



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bkm
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