叶わない恋

私はある人に恋をしている
それはきっと叶わない恋だ


『あの、スネイプ教授
ここの調合がわからないのですが。』

「ミスタケウチはこんな初歩的な問題も
わからないのかね。」


私はこの嘲笑うかのような笑みが嫌いだ
自分が惨めに、子供に見えるから

『すみません、』

「…まぁいいだろう。
ここの調合は…」


スネイプ教授の説明はいつも的確で簡潔
説明をする教授に見惚れていたら

「…というわけだが。
ミスタケウチはメモすらとらないのか?
まったく何をしにきたのかね。」


あ、忘れてた
すみませんと謝りメモをとる

『あの、ありがとうございました。』

「……では。」

教授は黒いローブをひるがえし歩いていった
私はそんな想い人を見つめながら
私はずっとずっとこの人が好きなんだろうななんて思った




今日の授業も終わり
図書館で本を探していた

『薬学の棚は…っと。』

確かレポートは教授に今日聞いたところ
あれから自分でもレポートをまとめたが
ふと疑問が出てきたから図書館に来たのだ

『この本かな…?』

「違う。それには書いてはいない。
この本が妥当だろう。」

頭の上から長くて細い腕が
書籍をとりずいと私の前に出してきた

『ス、スネイプ教授!!』

「…うるさいぞ、タケウチ
図書館では静かにと教わらなかったのかね」

『す、すみません。』

教授は私の手元にあった
レポートに目をやる

「…レポートの範囲か。
我輩の説明では至らなかったですかな?」

『い、いえ。そんなことは決して!
とてもわかりやすい説明で
あの時は聞き惚れてしまいました。』


思わず一気に喋ってしまった
ふと教授の顔を見ると心なしか
顔が赤いような気がした

『あの、教授…?』

「ミスタケウチ紅茶はいかがかな?」

『え…?』

「レポートは我輩の研究室でやればよかろう」

『…よろしいんですか?』

「我輩が誘っているのだ、嫌であったら言わないだろう。」

『じゃあ…お言葉に甘えて。』


ふわりと笑えばついてきたまえと
教授は歩いていった

後ろから小走りでついていく
隣に行けば教授少しだけ
本当に少しだけ歩幅を合わせてくれた気がした




それから紅茶を頂いて
堪えきれない想いを伝えたら
教授がいつもは青白い顔を真っ赤にしながら
私を抱きしめてくれるまであと12分





(叶わない恋だと思っていました)
(誰がそんなこと決めたんだね)



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bkm
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