『シリウス、今日も一緒に行っていい?』

「あぁ……でもさ、」

俺は出そうになった言葉を飲み込んだ
リーマスには悪いが
今だけは幸せな気持ちでいたい

『でも?』

「なんでもない、ほら行こうぜ」

『うんっ』

はにーの手を引いて駆け出した
背徳感を拭えないままに


二人で行ったホグズミートは
ずっと笑えていられて幸せだった
だけどはにーの笑顔はいつもの笑顔じゃなくて
どこか影を帯びていたんだ

「はにー、バタービール飲まないか?」

『うん。飲みたい!』

二人で店に入ればリーマスがいた

やばい、店を変えないとはにーが
と思いはにーを見ればやっぱり少し表情が曇っていた

「店、変えるか?」

『ううん、大丈夫だよ』

「そうか…」

だけどやっぱり俺ははにーを見ていられなくて
店を出て足は自然と学校へ向かっていた


『シリウス、』

「……」

『シリ、ウス!……痛いよ!』

「っ、あ……悪い」

はにーの手は強く握っていたからなのか
少し赤くなっていた

『ごめん、ありがとうね』

俺は悲しそうに笑うはにーを抱きしめた

『シリウス…?』

「…んで、…よ……」

『え…?』

「………俺にしろよ」

『……そんな、できないよ……私にはっ…』

そのまま彼女は黙ってしまった
その後の言葉は本来の彼女からは
聞くはずのない言葉だった


『……キス、して…?』


この時俺らは狂っていたんだ
はにーが揺れていることを知っていて
俺はそれを利用した
はにーも考えがあって俺を使ったんだろう

でも俺はそれでよかった
はにーを手に入れられるならどんな関係でもよかった

だから俺ははにーにキスをした
はにーは抵抗しなかった
ただその頬には一滴涙が伝っていた





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