荒々しい気持ちを持ったまま
私は寮の扉を開けた

「いって!もっと丁寧に開ろよ!…ってはにーじゃねぇか」

『…シリウス…あ、扉ごめん』

「いいけどよ、…お前、何かあったのか?」

『何もないよ』

「……」

『ごめん私もう寝るから』

そう言って階段を駆け上がった
ベッドに飛び込めばお日様の匂い
その優しい匂いが私を余計に悲しくさせた










「どうしたってんだ…」

明らかにはにーの様子がおかしい
暗い顔をしていたあいつを放っておけば
何処かに飛んでいきそうだ

「なぁパッドフット!次の悪戯の件で…って聞いてるかい?」

「…あぁ聞いてる」

「何かあったのかい?」

「俺じゃない。はにーだ」

「彼女どうかした?」

「覇気がないっていうか荒れてるっていうか…
俺もよくわかんないんだけどな」

「それは心配だなぁ……それなら後で
そのことをリリーに教えてあげないと!
いや、今すぐ知らせないと!
パッドフット、僕行ってくるよ!」

「あぁ。殴られないようにな」

「頑張るよ!」


そう言って扉が閉まった

「どうしたら」

俺はどうすればお前の笑顔を取り戻せる…?

閉じ込めていた思いがあふれそうになっていたことを
俺は気づかないふりをした







「はにー、」

談話室にいたブラックに
はにーのようすを聞いて急いで部屋に入れば
ベッドで泣き疲れたようで
目を真っ赤に腫らして寝ているはにーがいた
ベッドに腰をかけても起きないはにーは
よほど疲れているらしい

きっとリーマスのことを聞いたんだわ

噂なのかわからないけれどはにー以外の女の子と
そういう関係にあると聞いた
私だって何度もリーマスとその女の子が
一緒にいるのを見たもの
多分本当なのだろう

はにーに知らせようとしたけれど
やっぱり彼女を悲しませるようなことは
できなくて言えなかった

今になってこんなはにーを見ることになるんだったら
私が伝えてリーマスと話をさせればよかったのかな


「ごめんね、」

その言葉は眠っているはにーには届かなかった



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