今日は一緒にいられないんだ
レポートをやらなくちゃ
そう珍しくリーマスが言った理由が今分かった
他の女の子と会う為に、キスする為に
私といれなかったんだよね
目の前で繰り広げられている
リーマスと私の知らない女の子のキスシーンを見ながら
そんなことを考えていた
唇を離したリーマスがこちらに気づく
「はにー、」
『どういうこと?リーマス。』
自分でも怖いくらい冷静だった
女の子は気まずそうにしながら
リーマスから離れて立ち去った
「彼女から告白されたんだ」
『で?』
「キスされたよ」
『なんで抵抗しなかったの?
本当は彼女とキスしたかったんじゃないの?』
「はにーまずは落ち着いて、」
『落ち着いてるわよ
…はぁ、もういい。しばらく話かけないで
』
「君は誤解してる」
『だけどキスしたのは事実じゃない!』
それを言えばリーマスは黙った
『私だけを好きだって、そう言ってくれたのは
嘘だったの…?
私は都合のいい女だっただけ?』
あれだけ毎日毎日束縛されて
愛し合っていたのは何だったのかと
涙が零れそうになる
だけどそれを唇を噛んで堪える
「違う。僕ははにーを本当に愛してる」
『愛してるならキスなんてさせないはず
……ごめんリーマス。
しばらく距離を置かない?
気持ちの整理、つけたいの』
「………わかった」
わかったとあっさりとした言葉に
私はまた愕然とした
それと同時に悲しみでいっぱいだった
私はリーマスにとってそれだけの女だった
そう思うほかなかった
『私だって、』
同じことしてやる
その言葉は涙で声にならなかった