「「お菓子くれなくてもいたずらしちゃうぞ!!」」

綺麗に重なる二つの声
なによそれ、と小さく笑みをこぼす

だけど私には気づかずまた貴方は
何処かへ悪戯を仕掛けにいく
今日は堂々としている悪戯を
もっと盛大にできる日だもんね

「一人で笑ってると不気味だよ」

『ロンうるさい』

ロンとは幼なじみだからいっつも一緒
最近ハーマイオニーと付き合ってる
って噂を聞くけど本当なのかな?
まぁどうでもいいけどね

だって私が好きなのは、


「まーたフレッド?」

『あらいけない?』

「そんなに好きなら告白すればいいのに」

『馬鹿言ってんじゃないわよ』

そう、私はフレッドが好き

だけど彼は小さい頃から一緒だから
私を妹みたいにしか見てないだろう

『そうだ、最近ハーマイオニーと付き合ったの?』

「ななっな何言ってんだよ!!」

『違うの?すっかり噂になってるよ
あの二人はデキてるって』

「違うよ!」

『あっそー』

私がふいとフレッドの方へ目を向ければ
一瞬目が合った気がした
でも気のせいか、残念

ロンと話していれば案の定双子がやってきた

「「ロニー坊や!」」

「今日は」

「何の日か」

「「知ってるかい!?」」

「……ジョージとフレッドの日だね」

「「御名答!」」

ロンがため息をつく
それを聞いたか知らないが
多分聞こえないフリをした双子は
ロンに何かを耳打ちをしてジョージとロンは
何処かへいってしまった

あんなに素直についていくなんて珍しいと
小さく心で合掌をしていればフレッドが私に一歩近づいた

「***ー」

『んー?』

「お菓子くれないと悪戯しちゃうぞ!」

『心より遠慮します。て訳で。はいこれ』

手に二つの飴玉
葡萄味のそれは彼らが大好きな味

「なんだ持ってたのか」

『ふふ、ジョージにもあげて』

残念そうな彼を見てちょっとだけうれしかった
この瞬間の表情だけは私だけのものなんだなんて思ったから

『フレッドー』

「なに?」

『お菓子くれないとちゅーしちゃうぞ?』

なーんて、
と言えば目の前には赤毛に負けないくらい
顔を真っ赤にしたフレッドがいた
しかもそんな顔のままお菓子持ってないやなんて言った

そんな言葉を聞いたら今度は私が赤くなる番

『あのっ、あれは、じょ冗談で!』

「えっ俺期待したのに!」

『彼女でもない子のこんな冗談真に受けちゃだめだよ!』

はは、と渇いた笑いを浮かべれば
いきなり真剣そうなフレッド

「俺は***が彼女でもいいんだけど」

『…えっ…』

「てか***じゃなきゃ駄目」

『フ、フレッド!』

だんだん近づいてくるフレッドと距離をとろうと
後ろへ下がれば嗚呼悲しきかな
もう壁と背中がこんにちはをした

頬を掴まれ

「ちっさい頃から***がずっとずっと好きだった」

そう言われキスをされた
その言葉に涙が溢れた

「ごっごめん!お、俺っ」

『違、…嬉しいの』

「それ、」

『私もフレッドと同じ、なの』

「やっべ……めちゃくちゃ嬉しい」

私も、と言えば
上からお菓子くれないとちゅーするぞ
と楽しそうな声

私はポケットから飴をだして
フレッドの目の前でちらつかせながら言ってあげるの







あ、お菓子ないみたい





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