隣でハロウィンだからか
いつもより大量のお菓子を
もぐもぐ食べてるリーマスを見ながら
俺は暖炉の火をじっとみていた

「ねえ」

「…んー?」

「シリウスさぁ」

「あぁ」

「***と別れたの?」

俺は何も言えなかった
と、いうよりわからない
の方が正しいかもしれないのだが

「わかんねぇんだ」

「何それ」

クスっと笑うリーマスに少しだけいらつきながら
事の詳細を話した

「いきなり出てきて別れたい!、か
やるねぇ、さすが***」

「理由聞いても自分で考えろの
一点張りだしもうどうすればいいんだよ…」

「君の一週間の女の子関係の経緯を
辿ってみればわかるんじゃない?」

あ、欲しかったカードだと
嬉しそうなリーマスを横目に
俺は考えを巡らせた

一週間前は、レイブンクローの先輩に
なんか言われたな
その前の日はケーキかなんかもらって
リーマスにやって…
四日前くらいには、……なんだっけな

「リーマス、四日前って」

「君が誰かに呼び出されて罰則受けてた」

「あ、そうだった。
あとは、三日前は後輩に追い回されて
二日前は、」

「君が無理矢理キスされてた」

「そうそう…ってなんでお前が知ってんだよ」

「見ちゃったんだよねぇ……
まったく君もタイミングが悪いよね
あんなとこに、ね」

「お、おい……それ、まさか」

「***も見たよ」

「!!…っくそ!」

俺は急いで彼女の部屋へ向かった
階段が滑るけどそんなこと構ってられない
無理矢理駆け登りそこらへんの女を捕まえ
***の部屋を聞いて入った

「***!!」

そこにはベッドにうずくまりながら
驚いている***がいた
幸い部屋にはルームメイトはいないようだった

『シリウス…なんで』

「俺、お前に謝りたくて!」

『……私たち別れるから
別に謝ってもらわなくていいよ』

「それだとしても聞いてくれ!
…言い訳になっちまうかもしれねぇけど
俺は***が好きだ!
キスは俺からしたわけじゃなくて
無理矢理あっちがしてきただけでっ」

『知ってたよ。見たもん。
だけどね、悲しかったし悔しかったの
それがシリウスからじゃないって思っても
やっぱり私じゃだめだって思ったの』

「俺は***がいいし今でも***を愛してる」

『私だってシリウスのこと愛してるよ
だけど女の子に言い寄られても
強く言わないシリウスが嫌い
キスされちゃうシリウスが嫌い
私を放っておくシリウスが嫌いなの
私、こんなにシリウスのこと嫌いなのよ』

だから、と続ける彼女をベッドに押し倒し
俺は彼女にキスを贈った
啄むようなキスをたくさんたくさん

『んっ、シ、リ…ウス』

「要するにやきもちだろ」

『やかせたのは誰よ!』

真っ赤な顔をして彼女は俺を睨んだ
……今のはちょっと腰にきたぞ

「悪い。だけどそれだけ
俺を好きでいてくれてるんだろ?」

小さく頷く彼女を抱きしめて
額に小さくリップ音をさせた

『シリウス、』

「?」

『次女の子にキスさせたら別れるからね』

「…わかりました。必ずこの唇を守り抜きましょう
我がお姫様」

『よろしい!』


姫様の機嫌も治ったしそろそろ
俺が虐める番かな
そう思って何をしてやろうかと
ペろりと口の端を舐めた






スキライ





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