愛称と蛇

ヴォルデモートさんとお友達宣言から早くも一週間がたった

毎日彼の部屋に行きお茶をしながらホグワーツ学校のこと
トランプやチェスをして遊んだ
遊んだって言ってもヴォルデモートさんは嫌そうだったけど

でも時折最初はにこりともしなかった彼が笑ってくれる
鼻で人を馬鹿にするような感じだけどね…
それでも目に見える変化に私は嬉しかった

『ヴォルデモートさーん』

「ノックくらいしろ」

『まぁいいじゃないですか!今日は何をしますか?』

「私は忙しい。ルシウスにでも構ってもらえ」

『あ、調合ですか?…なんか難しそう、』

話を聞けと睨まれる
最初こそ怖かったものの今ではそんなに動じなくなっていた

「ホグワーツではやらない危険なものだ」

やるか?と問われれば首を横に振る
だって薬品がかかって大怪我なんて嫌だもの

後ろからじっと見ていれば扉が控えめに叩かれた

「誰だ」

「ルシウス・マルフォイと」

「ベラトリックス・レストレンジでございます我が君」

「入れ」

そう言えばすぐに扉が開きルシウスさんと
漆黒の髪をした綺麗な女の人が入ってきた
その後するりと大きな蛇も来た

『おっきな蛇…』

“この子ですかご主人様”

「あぁ」

『あぁ、ってヴォルデモートさんも動物と話ができるんですか!?』

「そういえばお前は話せるんだったな
私の場合は蛇のみ、私はパーセルタングだ」

後ろでこっそりとルシウスさんが教えてくれた
パーセルタングとは蛇語を話せることなんだそうだ

“ご主人様、私の任務はまだですか?”

「“もう少し待っていろ”」

『あのヴォルデモートさん、その蛇ちゃんのお名前は、?』

「ナギニだ」

『ナギニちゃん!私優季桜葉って言うの、よろしくね』

少し警戒をしているようだったから
ヴォルデモートさんに聞いてからナギニちゃんに触った

『わぁ、つるつるー』

“蛇ですからね”

「あんまりやりすぎて殺されないようにな」

『大丈夫です!ね、ナギニちゃん』

“優季様、それはわかりませんよ?”
とナギニちゃんは舌をちろりと出した

『ナギニちゃん意地悪だぁ…』

「お前らは何のようだ」

ルシウスさんと女の人は片膝をつき話しはじめる

「お伝え申し上げます、我が君
前に仰せつかっていた任務ですが遂行致しました」

「そうか、」

「故に我が君、次の任務を頂きたく参った次第にございます」
と女の人

「今はまだ時期ではない、近々召集をかける。
それまでは好きに過ごせ」

「「はい、我が君」」

『あのぅ…』

「なんでしょう優季様」

『私ルシウスさんは知っているんですけど
そちらの方は知らないので
ぜひ教えてもらえたらな、と』

「もったいないお言葉です、優季様
私はベラトリックス・レストレンジと申します」
その人は深々と頭を下げた

『よろしくお願いしますベラさん!』

「え、」

『あ…嫌でしたか?名前が長くて覚えられないので
愛称でよんじゃいました』

「いえ、ありがとうございます」

『そうだ!ヴォルデモートさんのことも愛称で呼びましょうか』

「私は遠慮す」

『ヴォル、でいいですよね!
ナギニちゃんも良いと思わない?』

ナギニにそっと触れればしっぽを振ってくれた
ヴォルさんははぁ、とため息をついていたが気にしないことにする
この後皆でトランプでもしようと考えていれば
風がそっと頬を撫でていった



















(我が君に愛称など…恐れ多い)
(全くだよ、でも…)
(愛称など久しぶりだったなぁ)


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