こんにちは闇の人


「…ぃ、おい」

まだ覚醒しきれない頭を振るって
周りを見渡す
ベッド横には全身黒い人
顔だけは白くてそこの一部だけはえて見えた

「ようやく目を覚ましたか」

『あ、の。ここは…』

「ここか?…そうだなお前の新しい家、
とでも言っておこう」

含み笑いをする人
どこかニヒルな笑顔だ
その人をまじまじと見ていると

「…お前は怖がらないのだな」

『だって私貴方の事知らないんですもん』

けろりと言って見せれば逆にぽかんとされた

「嘘をつくな」

『嘘じゃありません。私ここの人間じゃないんです』

「ほう…?詳しく聞かせろ」


この世界に来たときの事を話せば
うむ、なるほどなんて言っていた

「やはり世界を越えて来れば自己防衛の為に力がつくのか…?」

『さぁ、わかりませんけど…。
あのー、貴方は誰なんですか?』

「私か?私はヴォルデモート卿だ」

『よくわからないですけどすごい人なんですね』

さっき皆が騒いでいたから
とつけ加えるとまた笑われた

「一応これでも闇の帝王として通っているのだが?」

『それは失礼しました。ヴォルデモートさん?』

「本当におかしな奴だなお前は。
…ルシウス。」

「…お呼びですか我が君。」

すっと現れたのは綺麗なプラチナブロンドの英国紳士だった

「こいつに食事をもってきてやれ」

「かしこまりました」

深々と頭を下げるとルシウスさんはいなくなってしまった

「何か用があったらルシウスを呼べ
私は部屋に戻る」

『あっ、ヴォルデモートさん!』

「なんだ」

『私は誘拐、されたのでしょうか?』

「そうだな、誘拐されたんだ。」

だからといって逃げ出そうなんて
思わないのが身の為だ
逃げ出す=死、だからな

そう言って彼は扉を閉めた

彼がいなくなった部屋を見渡せば
大きい部屋でユニットバスに天蓋付きのキングサイズのベッド
窓際にはレトロなテーブルに椅子
真っ黒のドレッサーにたくさんの本
大きなウォーキングクローゼットまである
いかにもこの部屋だけで過ごせる感が溢れている

でも普通誘拐したら見張りがいっぱいいてもいいのになぁ

そんなことを思っていれば
ルシウスさんが食事を持ってきてくれた

「お食事でございます」
テーブルに食器を置く姿も優雅だ

『ありがとうございます。ルシウスさん?』

彼がびっくりしたようにこちらを見る

『あっ、いきなり失礼でしたよね。
さっきヴォルデモートさんがそう呼んでいたので』

「い、いえ。では私はこれで失礼します」

『はい、ではまた』

彼がいなくなってからベッドから下り食事を頂いた
すごく美味しい料理でホグワーツを思い出した

『皆に心配かけてるよね…』

梟でも出せたらいいのに
せめて心配しないでとだけでも…
明日ヴォルデモートさんに聞いてみよう
そう思いデザートに手を伸ばした



















(様子はどうだ?)
(お変わりなくお食事を召し上がっておいでです)
(そうか。やはりおかしな女だ。)


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bkm
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