秘密と貴方の体温


「校長先生大変なんだ!ノーブルがいなくなっとった!!」

そう言ってハグリッドが大きな身体を揺らして
朝の大広間へと入ってきた

「まぁまぁハグリッド…落ち着くのじゃ
ノーブルのことなら
優季が一番知っているのではないかの?」

ハグリッドはすぐさまこちらに来た

「優季!!ノーブルはっ」

『ハグリッド、言うのが遅くなってごめんなさい。
ノーブルには私のお使いに言ってもらってるの』

「それは何処にだ!?」

『ごめんなさい、それは…言えないの』

「そうか…使いか、そうか。無事ならいいんだ。
すまんな、食事中に」

『私こそ遅れてごめんなさい』

ぺこりと頭を下げればハグリッドは
そのおっきな手で頭を撫でてくれた

食事を終え今日は授業がないため
私はスネイプ教授の部屋へと向かった

『教授、こんにちは』

「あぁ」

彼はいつものようにレポートの採点に
追われているらしかった

私は本を取り出してみるが
どうにも読み進める気分ではなかった

無事あの人のところへ行けているか
珍しい種類だから狙われてはいないか
ノーブルのことばかりを考えていた

「どうかしたのか」

『…え?』

「先ほどからため息ばかりだ」

『そうでしたか?ごめんなさい、』

スネイプ教授はレポートを採点する手を休めて私の隣にきた

「あまり一人で抱え込むな
お前はすぐそうやって閉じこもるからな」

ちょっと冷たい彼の手が私の頬を撫でた
その手に自分の手を重ねる

『ノーブルが心配で…』

「ハグリッドが騒いでいたあの?」

『はい。』

「そうか。だが奴らは丈夫に出来ている
あまり心配しすぎるな」

大丈夫だと言い聞かせるように
ぽんぽんと頭を撫でる手はとても優しくて私は目をつぶった

彼の心臓の音が聞こえて心地良い
ずっとそうしていればとろんと意識は薄れ
私は夢へと旅立った
意識を手放す少し前に言ってくれた
彼の言葉を嬉しく思いながら

















(お前の悩みを全て変わってやりたいものだ)


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bkm
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