譲らない譲れない

「もう寒くない?」

『うん。平気』

私を気にかけてくれる彼に笑いかければ
あのさ、と彼は私に向き直った
何かいいたそうな顔をしているセドリック


「あの、さ」

『うん?』

「…き………だ」

『え?何?
ごめんなさい、聞こえなくて』

「…君が好き、なんだ」

『…えっ…』

私は今マヌケな顔をしているだろうし
セドリックはそりゃもう真っ赤

「君が連れ去られたと聞いた時
守れなかったのが悔しいし
すごく腹が立ったんだ
だけど僕はもっともっと強くなって
優季を守ってみせるよ!
…だから僕と付き合って欲しい」

すごく真剣な瞳で射ぬかれるような視線で見られ
思わず呼吸がしにくくなる

『セドリック、私……』


「何をしている」

振り返ればスネイプ教授

「もう5分も就寝時間を過ぎていますぞ
…これはこれはパッフルパフのディゴリー殿に
グリフィンドールのジャスミン殿ではないか
貴殿達ほどの優等生がこんなところで
就寝時間を守らず逢い引きですかな?」

じっとりとした目で見られれば
心を見透かされているようで居心地が悪かった

「すみませんスネイプ教授、すぐに寮に戻ります。
優季行こう」

『う、うん』

「Ms桜葉には我輩から話すことがある」

「ですが、」

「さっさと帰れ、と言っているのだ」

セドリックはこちらを見ながら帰っていった

「全く貴様は、案の定ではないか」

『案の定って…?』

「告白されていたのだろう」

『何故それを…』

「知られてはまずいのですかな?」

『そんなことはない、です…けど』

ほらみろと言わんばかりの顔でみる教授
そんなことを言われたって
私はそんな風に彼を見ていなかったんだから
しょうがないじゃない

「簡単に男を信じるな。ついていくな。」

わかったかと不機嫌そうに
睨まれればはいとしか言えなかった

送ってやるからついて来い
とやっぱり不機嫌そうに前を歩く教授の歩幅は
少しだけ早かった

『教授っ、』

「………………悪い」

スピードを落としてくれた彼の半歩後ろを歩く
二人の足音が交互床を鳴らした

『ごめんなさい…』

消え入りそうな声で謝ればぽんと頭を撫でられた

「わかればいい」

やっぱりまだ小さな罪悪感があったが
教授の優しさが温かくて嬉しかった


















(やっぱり我輩はこいつに甘い)
(なんか今すごくぎゅってしたい…)


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bkm
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