ただただ正直に

『はぁ、』

「優季、辛そうだけど大丈夫?」

『うん!ありがとうハリー』

私は今ハリーとルーピン先生に守護霊の呪文を教わっていた
始まりは先日セブルスから届いた手紙だった




明日からルーピン教授にハリー・ポッターと共に
闇の魔術に対する防衛術の特別授業を行ってもらう
必ず出席するように



手紙が届いたルーピン先生から
夜に先生の部屋に来るように言われ
そこへ向かうとハリーと先生が待っていて今に至るわけだ

数回守護霊呪文を唱えれば杖の先から
銀色の煙のような物が出た

「すごいよ優季!」

『そんなことないよ。ハリーは一回でできたんでしょ?』

「でもこれはO・W・Lを超える呪文だ。
今年入ったばかりの君が使えるような呪文じゃない
優季は十分すごいんだよ。」

とルーピン先生に褒められればまた嬉しくなった

「じゃあ二人とももう一回だけやって今日は終わりにしよう」

「『はい!』」







それからハリーは難無く守護霊を出し
私は銀色の煙が梟の形にまでなった

「優季…本当に君は…」

『失敗、ですか?』

「いや。大成功だよ。ハリーも具象化はまだ出来ないのに」

「優季に先を越されちゃったな!
僕ももっと頑張らないと…!」

「二人ともその意気だ!
明日もこの時間に、ここで。いいね?」

『わかりました!』

「はい!」

「じゃあもう就寝時間前だし二人とも帰りなさい
あっ、優季はちょっと残ってくれるかい?」

待っているというハリーにルーピン先生が
私を送っていくと言ったのでハリーは渋々帰っていった

「悪いね、」

『いえ、それで何ですか?』

「優季さ、なんか悩んでる?」

『…いえ』

「君は本当に嘘をつくのが下手だね。
セブルスについてかい?」

『…はい』

「無理に話せとは言わないよ。
でも呪文を使う上で迷いや悩みは邪魔になってくる
なるべくない方がいいんだ、」

だから彼に言えないなら私に言いなさい
話とかならいくらでも聞くし相談して欲しい
と言われた
先生の好意はすごくうれしかった
でもやっぱり本人からリリーさんが誰か聞きたかった

『まずは自分で解決してから先生にお話聞いてもらいます!』

「そうか、わかった。じゃあ寮まで送るよ」

先生の隣を歩きながら一ヶ月後にある
ホグズミート行きの話をしていた
ハニーデュークスというお菓子屋さんが
すごく楽しいこと
バタービールがおいしいこと
小洒落た雑貨屋さんがあること

ホグズミートに行くのが楽しみになっていると
うっすらと見える光

『先生、あっちから人が…』

私を後ろに隠すように前を見据える先生

「誰だ」
それはセブルスだった

「なんだセブルスか、びっくりさせないでくれよ」

「それはお前の勝手だろう。
…終わったのか。」

「あぁ。優季はすごいんだ、守護霊を二回程で出したよ。」

しかも具象化までしてみせたんだから驚いたよ
とつけ加えると
それには彼も目を見開いてこちらをみた

「じゃあ私はここで失礼するよ。
優季、セブルスに送ってもらいなさい。いいよね?」

「……あぁ」

じゃあおやすみとルーピン先生は暗闇に消えていった

「行くぞ」

弾かれたように彼のあとを追う

今は二人きり、周りは真っ暗
今ならリリーさんのことを聞けるんじゃないかと思い
聞いてみることにした

『教授…』

「なんだ」

『あ、の…』
歩くのをやめない教授

『……リリーさん、って誰、ですか?』

リリーと言えば彼が止まった
くるりとこちらを向く

「何処で…」

『きょ、教授が私をリリー、って言って…
教授がソファに寝ていた時に…』
途端に眉間の皺が増えた

「……誰でもよかろう。行くぞ」

『前の彼女、ですか?』

「違う、もう黙れ。」

『…でもっ、私…リリーさんが…』

誰か知りたいんです、と言う前に声は遮られた

「余計な詮索はするな!!!!!」

その言葉が胸に突き刺さった気がした
踏み込むなと言われたようで
鈍器で殴られたような気分だ

『それは、リリーさんと…かんけ』

「黙れ黙らんか!!!…二度と我輩の前でその名を口にするな!!」


私の腕を掴んで寮の前までくるとローブを翻し帰っていった


合言葉を言えば扉が開きすぐベッドに包まり泣いた

たくさん声を枯らして






















(不安は不安を呼ぶ)


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