ぽとり、と堕ちる


「えぇっ!?それ本当なの優季!」

もうパーバティ、耳に響くよ
文句を言えばやっぱり大きい声でごめんごめんと言われた
ごめんって思ってないでしょ…
しかもここ広間だから…

『と、とりあえず座ってよ』

「え、えぇ」

こんなにパーバティが挙動不審になったのは私のせい
先週のお休みのことを話したらびっくりされて叫ばれた
夜の間に何かあったか聞かれて何もないと答えれば
また最初のあの叫びに至った

『パーバティ、うるさいわ』

「ご、ごめんなさい」

「二人とも、どうかしたのかい?」

ポンと肩を叩かれればそこにはルーピン先生

『こんにちは、先生。それが…』

「あの先生、授業外なので変なことを聞いてもいいですか?」

……何を話す気パーバティ、

パーバティの隣に座りチョコを食べつつ
何かななんて笑っている

「先生は好きな女の子と一週間もずっと一緒にいて
夜に何もないって有り得ると思いますか?」

先生が咳込む
そりゃそうだよね、いきなりすぎるもん
私は急いで紅茶を魔法で出す

「…っありがとう。」

「で、どうなんですか?」

『もうパーバティったら、先生困ってるよ』

「そうだなぁ、僕なら我慢できないなぁ」

「やっぱりそうですよね。何が原因なのかしら?」

「男の方に問題があったり、女の子に魅力がなかったり…かな」

『魅力…』

三人で悶々と考えていれば
ハーマイオニーやラベンダーやフレッドやジョージ
ハリーやロンまで混じって色々な話をした

一週間会えなかった間にたくさんのことがあったようだ
やっぱり皆と話すと楽しいなぁ


そのまま夕飯を食べてそのままセブルスの私室に行った
すると珍しくソファに寝ている
よほど疲れているのだろう
ブランケットをかけるとうっすらと彼の目が開いた

『セブルス、ここで寝、』
腕を引き寄せられ抱きしめられた
嬉しくなり彼の頬にキスをしようと思った時

「……リ…リー……」


リリー、彼はたしかにそう言った
私じゃない名前をあんな風に
優しく呼ぶのを聞いたのは初めてだった

『リリーって、誰…?』


私をそのリリーさんに間違えて抱きしめた彼は
腕を離すことなく寝ている
そんな彼に聞いても答えは返ってこなかった
私の中にぽつりと一つの染みが広がった瞬間



















(小さなシミはやがて滲んで広大な影となる)


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bkm
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