休息は甘い時間


朝、部屋に戻ると舞踏会の後セドリックが必死に
私を探してくれていたことを知った

私はすぐにアールに手紙を持たせたら
アールは数分の内に返事を持ってきた

そこにはよかったという
安堵のことば。またセドリックに会ったら
きちんと話さなきゃなとも思った

セドリックの手紙を引き出しに閉まって
私は地下室にある愛しい人の元へ向かった
アルバスの配慮で特別に休息を一週間もらったのだ
それと同時に私を守れるようにと
スネイプ教授もお休みがもらえたのだった

静かにドアを叩く

「誰だ」

『桜葉です』

するとドアが開き大好きな人がそこにいた

『教授っ、遊びにきちゃいました!』

そう告げると
遊びなら帰って頂きたいですな
と口元は緩んでいるのにそんなことを言われた

教授はレポートの採点中だったようで
机の上にはたくさんの羊皮紙の束

『お邪魔でしたね…』

ぽつりと呟いたのにそれは教授の耳に届いたようで

「静かにしていればいても構わん。」

『じゃあ静かに待ってます』
と持ってきた本を読みはじめた


カリカリと羽ペンの音と目の前の文字の羅列に
まどろみいつしか意識を手放した




ゆさゆさと肩を揺さぶられれば
スネイプ教授が眉間に皺をよせながらこっちを見ていた

『レポートの採点、終わったんですか?』

「あぁ、なのでお茶にしようかと思うがいかがかな?」

『頂きます。』

そういえば教授はぱっとお湯を沸かし
紅茶を入れてくれた

「砂糖とミルクはどうする?」

『頂きます!』

一口飲めばやっぱり美味しい
『美味しいです』

「そうか」

長くは続かない会話だけど
隣にスネイプ教授がいるだけで幸せだった

『スネイプ教授、今度お茶のいれ方教えてください』

「誰がいれても同じだ」

『いいえ、違います。教授のいれた紅茶は
今まで飲んだ中で一番美味しいんですから!』

だから知りたいんですと言おうと思えば
教授が先に話し出した

「貴様はいつまで教授、なのだ?
我輩は好きだと言えば同じだと言われたら
もう恋人同士だと思っていましたがな?」

そ、そうだけれど。
やっぱり恥ずかしいじゃない…

『教授…それは』

「セブルス、だ」

『きょう、』

「セブルス。」

『……っ』

「早くしろ……優季」

耳元でそんな声で名前を呼ぶのは
ずるいんじゃないですか!?

『ぅー!セブ、ル、ス』

「きちんと言わんか。」

『っ…セブルス!』

「よろしい」

クスクスと笑うセブルスの膝の上に乗せられ
頭を撫でられればもう彼に身を任せるしかなかった

嗚呼、この気持ちを愛しいって言うんだな
なんて思った
























(愛の甘さはミルクティー並。いやそれ以上)


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bkm
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