心はいつも正直に


「…くそっ!」

自室に帰り机を力任せに叩いた
先程の自分の言動に腹が立つ
だがマルフォイと桜葉に
イライラしていたのもまた事実
いったいこの感情はなんなのだ…!

コンコン

このいらついている時に誰だ
呪いでもかけてやろうか
という思いを押し殺しドアを開ける

「やぁ、セブルス。ちょっと話があってね」

「なんだ、今我輩は忙し」

ルーピンは勝手に我輩の椅子に座る
くるりと向きを変え言った

「君さ、何を考えてるの?」

鋭い目が我輩を捕らえて離さない

「彼女泣いていたよ。目を真っ赤に腫らして」

「………。」

「嫉妬したくらいで優季に当たらないでくれるかな」

「嫉妬…、だと?」

「そうさ。だいたい優季から聞いたけど
今回は君が悪いよセブルス。
君の勝手なやきもちで優季を傷つけた。」
「我輩は桜葉のことなど、好いてはいない!」

「本当に?じゃあなんでいらついているんだい?
なぜこの前消灯時間を過ぎているのに
優季とディゴリー君を見たのに注意しなかったんだい?
注意しなかったんじゃないよね。
できなかった、んだろう?」

ルーピンは溜め込んでいたものを
吐き出すように一気に喋った

「…貴様…」

「君は気づいていないようだから教えてあげる。
セブルス、君は優季のことが好きなんだよ。
……何を怖がっているんだ。」

何がそんなに恐ろしいんだ
とこいつはのうのうと聞いてくる

「…お前には関係のないことだ!」

我輩の苦悩も何も知らないくせに
よくもいけしゃあしゃあと

「関係ない、か。
君がそんなようなら優季は僕が貰っていいんだね?」

「………勝手にしろ」

「その言葉忘れるなよ。」


ルーピンはそれだけ言えば嵐のように去っていった















次の日ルーピンの部屋へ薬を届けるのに
部屋へ入ればそこには桜葉がいた

「セブルス、いつも悪いね」

ちらりと彼女を見たがいつもなら
こちらに向けている視線がなかった

「早く飲め」

また苛々がつのりつい乱暴になってしまう
飲み終わったゴブレットをルーピンから
奪うように受け取り扉を閉めると後ろから
また楽しそうな声がした

あいつは桜葉のことを
本気で手に入れようとしているのか…

考えを巡らせはするがすぐにはっとなる

「我輩はあいつのことなど好いてはいないのだ!」

その考えと共にルーピンの
何が怖いんだと言う問いが頭を巡る



我輩は本当は気がついているんだ
心が桜葉を、優季を欲していることに

ただあいつと我輩は生徒と教師だ
本来なら惹かれてはいけない間柄
もし我輩達が結ばれてもそのことが
この先ずっとついてまわるだろう
そんな呪縛でお前を縛りたくはないのだ

それに我輩は人を愛していいのだろうか
また傷つけて失ってしまわないだろうか
きちんと愛していけるのだろうか


教えてくれ、愛した人よ。


























(気づいていない振りが君を傷つけていたのを僕は知らない)


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bkm
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