足音を響かせて

後ろからパタパタと走ってくる音がするが振り返らない

息を乱しながら我輩の元にきた桜葉が
我輩のローブを引っ張る

「なんだ」

彼女を見れば嬉しそうだ
本当にこいつはよく笑うな


『教授に食べて頂きたいものがありまして!』
我輩と隣を歩く桜葉を他の生徒は
驚いたように見る
我輩に好き好んで近づく者など
この学校にはいないからな


私室につくとまたローブを引っ張られた

『教授、教授』

「しつこいぞ桜葉、」

彼女が差し出したのは
たくさんのクッキー
綺麗に型ぬきされていて実に甘そうだ

「我輩に?」

『はい!教授にはあまり甘くないクッキーを多くしました』

早く食べろと言わんばかりの彼女に
ため息をつきながら一口クッキーを食べてみる

「甘い。」

『結構お砂糖控えめにしたのに…』

「ふっ、そんな落ち込むな。
多少甘くとも食える」

もう一枚口に含めば彼女はまた嬉しそうに笑った

彼女に茶を出し軽い談笑をして
今日はあることで校長に呼び出されていたので彼女を帰した

少し軽い足どりで校長室に向かうスネイプがいたことを
生徒で気がつく者はいなかった

















夕食時にダームストラング専門学校と
ボーバトン魔法アカデミーの紹介があった

今年はトライウィザードトーナメントが開かれるため
それの準備があったのだ

校長から両校と試合の説明がされ
夕食再開となった


教職員席からふと桜葉を見れば
目が合い声もなく微笑まれた
心臓の鼓動がいつになく早い気がする

風邪か…
薬を飲んで早めに寝るとしよう

そう考え一足先に夕食をやめ地下への階段を下りていった





















(後ろからまたお前が走って来そうな気がした)


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