自分ものさし
教授に添い寝をしてもらった以降
二晩とも何事もなく清々しい朝を迎えられた

だがハーマイオニーや
ルームメイトのパーバティやラベンダーは
何故か嫌そうな顔をして
カボチャジュースを飲んでいた

『どうしたの、ラベンダーたち』

「今日の最初の授業はスリザリンと合同。
もう何ヶ月も一緒じゃなかったのに…」

パーバティはつくづく嫌そうだった

「しかも魔法薬学だよー」

とクロワッサンを食べるラベンダー

何でみんなそんなにスリザリンを嫌がるのだろう
確かにちょっと怖かったり
意地悪な人もいるけれど、
この間また学校の中で迷っていたら
名前はわからないけどスリザリンの人が
その教室までの行き方を教えてくれた
そんな優しくて親切な人がいるのも事実なのに

『私は、スリザリンにも優しい人っていると思う。』

優しかったスリザリンの人の話を三人にすると

「物好きもいるのねー」

「違うわよラベンダー、優季は“ジャスミン”だからよ」

「パーバティ、やめなさいよ。
優季がその呼び名嫌いなの知ってるでしょ?」

ハーマイオニーがかばってくれた

「あ、ごめん、優季…」

パーバティはすぐに謝ってくれた
私は大丈夫だよと笑ってみせた

「いっけない!もう戻らないと授業に遅れちゃう!」

「本当だわ!行きましょ!」

私たちは早急に朝食を片付け
魔法薬学の教室に向かった










教室に入ると席は四人が隣同士で座れる席がなく
私はちょうどマルフォイ君の隣が
空いていたから彼に聞いてみることにした

『マルフォイ君、隣いいかな?
他がどこも空いていなくて…』

「…ああ、どうぞ」

そっけないがしかし紳士的に椅子を引いてくれた

『ありがとう』

彼にお礼を言い終わらないうちに
扉が勢い良く開きスネイプ教授が教室に入ってきた

「今日は脱魂薬の調合をする。
とても繊細、かつ危険な調合なので気をつけて行うように
まぁ諸君らがこのような微妙で厳密な方法が
完璧にできるとは思ってもいませんがな」


先日の物腰の柔らかだった教授はどこへいってしまったのか
私は少しだけ寂しくなりながら調合を続けた

『ねぇ、マルフォイ君。』

「なんだ」

『このニガヨモギの粉末ってこれくらいかなぁ?』

「あともう2gだ、それと」

『ん?なに?』

「ドラコ、でいい。」

『ドラコ…君?』

彼は満足そうに笑って調合を終わらせ
教授のもとへ向かっていった
そして席へ戻った彼は的確な指示をしてくれた

『……!!…できたっ』

「よかったな」

『うん!ドラコ君のおかげです!
ありがとう!』

私は嬉しくて足早に教授の元へ
出来た脱魂薬を提出しに行った

『スネイプ教授、できました!』

「……ご苦労。君にしてはよく出来ているな。
Mrマルフォイのおかげですかな?」

『はい、ドラコ君がいなかったら
ここまでうまくはできませんでした。』

「ほう、では次までに一人でこのレベルまでできる程に
なってほしいものですな。」

『私、魔法薬学は好きです
だからもっともっと頑張ります!』

スネイプ教授にそう言い席についたら
ちょうど授業終了の時間だった


教授から提出した者から帰ってよい
とのお許しが出たので私は教室の外で皆を待っていた

ラベンダーたちが来てなんでマルフォイと
あんなに仲がいいのかを聞かれた
そんなにおかしいこと?

前に会って自己紹介をしたんだということを話した

「優季、悪いことは言わないわ。
マルフォイと仲よくしないほうがいい」

『え…なんで…?』

正直ショックだった
大好きなラベンダーがそんな事を言うなんて

「あいつスリザリンだし、
生徒の中で闇に一番近いと言われているわ。」

私は話をただ黙って聞いていたが
涙が溢れそうだった

『…ドラコ君をそんな風に言わないで!!』

あんなに彼が優しい人なのに
何故仲よくしてはいけないのだろう
彼が闇に近くては友達になってはいけないのだろうか

気がつけば私は嗚咽を堪えながら
ラベンダーたちに背を向け走っていた














(ドラコ君の声が頭の中でやけに大きく響いた)


prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -