君の名前は繋がりで


スネイプ教授は部屋につくやいなや
ドサッとソファに腰を下ろした
そして荷物に杖をちょんとつければ
山ほどあった荷物はなくなった

「荷物はお前の部屋に送っておいた。」

『はい。ありがとうございます。
あの、教授…お手数をおかけしました。』

ふくろうもありがとうございました。
大切にします。
と言えばはいはいとでも言うのか
軽く頷いてくれた

緩む頬を抑えられないでいれば
ぐうと気の抜けるような音を出す私のお腹
一気に顔に熱が集まるのがわかった

「くくっ、ずいぶん貴様は素直だな。
しかし、もう夕時か、」


クスクスと笑う教授に
ささやかな抵抗で聞こえないふりをした
すると

「少し待っていろ。」

と教授は言ってどこかへ行ってしまった

部屋の主がいないのでぐるりと
部屋を見ているとそこははやり
魔法薬学の教授で薬品や薬学についての本があった
それ以外に目立った私物はなく
すっきりとした部屋だった

ただ意外だったのが部屋のすみに
黒と灰色の綺麗なふくろうがいたことだ
あの教授も動物を飼うんだとふと思った


『こんにちは。』

“あら、また罰則の子かしら”

『ううん、違うよ』

“!!?…私の話がわかっているの?”

『わかるわよ。変でしょ?』

ふふ、と笑えば小さく鳴くふくろう

“へぇ、変というか不思議ね。”

『みんな最初はびっくりするわ。
だけど私動物大好きだからうれしいの。
ねぇ、あなたのお名前教えてくれない?』

“わたしはグレイ”

『いい名前。わたしは優季。よろしくね』

鳥かごに指を入れるとグレイは
私の指を軽く噛みほお擦りをしてくれた


「珍しい、こやつが我輩以外に懐くとは。」


後ろからいきなり重低音が聞こえたので
私は思わず小さな悲鳴を漏らしてしまった

『教授、いつから』

「そうですな、名前を言っている所から。」

『もう!帰ってきたなら声をかけてくださってもいいのに…』

「こいつと何やらお楽しみのようでしたからな。
ああ、食事はそこだ。先に食べなさい。」


彼はグレイに餌をあげはじめた
ソファに座りテーブルを見れば
二人分の食事があった
どこからか持ってきてくれたのだろう

『あ、はい。すみません。
では、いただきまーす』

思い返せば朝から何も食べていなかった
緊張で考える暇さえなかったから

一口食べるとそれはとても美味しくて
私はぱくぱくと食べ進めていった

餌をやりおえたのが教授は
私が食べるのを見ていた

『……見られてると食べにくい、です』

「気にするな」

気にするなって、気になるのよっ!
心の声は彼には届かず
彼は席をたち何かをしにいった

私は夕飯を食べ終え
ほっと息をついているとずい、と
紅茶を差し出された

『わぁ…ありがとうございます
私、紅茶大好きなんです。
この香り、アールグレイですか?』

そう問えば左様、と短い答えが返ってきた


いただきますと紅茶を飲めば
今まで飲んだことのないくらい美味しくて
魔法でこんなに美味しくなるのかと思った


『美味しい…!これも魔法ですか?』

「魔法は一切使っていない。」

『それでこんなに美味しくいれられるなんて…』

すごいなぁと声には出さないけれど
向かいで優雅に紅茶を飲む人を見ながら感じた


『あ、スネイプ教授!
グレイちゃんってなんでグレイって言うんですか?』

「…適当だ。」

『適当に付けた割には随分と素敵な名前ですよ?』

“私を拾ったのがアールグレイの茶畑だったからよ”

そこでふとグレイが教えてくれた
随分と簡単な理由よねと羽を震わせた

『グレイちゃんを教授は拾ったんですね!
そこの畑がアールグレイだったからグレイちゃん!』

「なっ!?」

『グレイちゃんが教えてくれました。』

「お前…」

教授がグレイを睨む
とはいってもグレイは気にしていない様子で
羽の手入れをしていたけれど

『あっ!そうだ!
教授に買っていただいたふくろうを
アールって名前にしていいですか?』

教授と私のふくろうでアール、グレイ!
素敵でしょう?と教授に聞けば
呆れたように勝手にしろとお許しをもらった

『グレイちゃん!今度私のふくろうにあってみて!』

“えぇ、楽しみにしておくわ”

『ふふ、ありがとう!』

グレイを指先で撫でると
目を細めなんともかわいい表情をしてくれた

「グレイと交信中悪いがもう就寝時間だ。
送っていくから早くしろ。」

『はい!じゃグレイちゃんまたね!』



そう言って教授の部屋を後にした
後からわかったことだけど
私がお邪魔したのは教授の私室だった




途中でマクゴナガル先生に会い
そこからは先生と寮まで来た
マクゴナガル先生はこれから
見回りがあるようで挨拶だけして
部屋に入るとたくさんの荷物


よし!と気合いをいれ片付けをした
終わったのはそれから2時間ほどしてからだった









(君の名前はアール君ね!)
(“アール?アールグレイみてぇだな”)
(ギクッ!)


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bkm
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