没ネタ集
▼外道10
04/15 08:10(0

※r18


「飽きないのか」

 寝室で氷川の胸に収まりながら訊く。氷川がまたその質問かと辟易しているので、首を振って意図を話す。

「お気に入り取っ替え引っ替えして遊んでたのに、その、内容が普通だから」

 閉じ込められたら酷くされるのか思ったけど、外で求められることがなくなったので内容だけみればまともになっている。マンネリではないけれど、よく色々相手にしていて、俺相手で満足できているなと思う。

「何か期待していたのか」
「期待じゃない」
「じゃあ、何を想像していたのか」

 氷川が訊いてくる。俺だってそういうことに無知ではないし、悪趣味な情報だって入ってくる。しかし、今言って良いのだろうか。

「SMとか、玩具とか」
「想像力豊かだな」
「自分の行動を省みろ」

 されてもおかしくはなかった。それぐらい信用がなかった。氷川からそっぽを向いて話は終わりと言外に伝える。氷川も興味がないようで、この話は終わった。

 数日後。氷川が変なものを持って帰ってきた。玩具だ。モコモコの手錠とか電動マッサージ機とか、変な形の物とかそんなものがある。

「これどうしたの」
「物足りないんだろ」
「どうしてそんな解釈になったのか」

 氷川は答えずお風呂場に消えていく。使われたら死んでしまうのではないか。未開封のローターとかいっぱい入っているし、ぞっとする。隠してしまえとベッドの下に放り込んだ。

「水野」

 お風呂場から出てきた氷川は紙袋が消えていたからか、俺の名を呼ぶ。ベッドに寝そべって寝たふりを決めた。ベッドが沈む感覚がして、俺の喉を氷川の指がくすぐった。

「水野」

 落ち着いた声音である。

「変なもの突っ込まれるよりそれ用の玩具の方が安全だが」

 怖い。目を開けて起き上がる。
 少し悩んでベッドの下から紙袋を取り出して、氷川に渡した。氷川はそれを脇に置く。使う気だ。そうはさせないと氷川に寄り添って、腕を首に回して甘えた声を出す。

「いつものがいい」
「……飽きたんだろ」

 多分、俺の一言が氷川のプライドに障った。虎の尾を踏んでしまった。


□■□


「なんで最初からハードなんだ……」
「拘束はソフトだろ」

 全裸で縛られてベッドに転がされた。
 手首と足首が右と左、それぞれで枷で繋がれて、煌々とした電灯の下で晒されている。手を揺らすと金属の擦れる音がした。

 腹を掌で撫でられ、胸に達した指が戯れに先を摘む。氷川に教え込まれた体は容易く快楽を拾う。足を擦り合わせると氷川の唇がゆるりと弧を描いた。

 氷川の手が俺のを撫でる。胸を触られたせいで緩く反応してしまったそれを扱く。足を閉じて防げるものではなくって、啜り泣きのような声を漏らした。

 触られるとお腹の方が切なくなってしまって、どうにかして刺激から逃げようとするけれど中々うまくいかない。ぎゅっと足を閉じても既に局部には触れられてしまっている。

「ひかわ」

 氷川に後ろから抱っこされるような形でお尻に指を入れられる。片手は胸をいじっていて、放置された俺のがとろとろと体液を溢す。

 中が広げられていく。わざと音を立てながらそれをやられて、氷川を睨む。足が揺れてかしゃかしゃと音を立てた。

 指が、中を荒らす。出そうになると焦らすように動きがゆっくりになる。もどかしくてどうにもできなくて、自分で前を触ろうとすると手を取られた。

「ひかわ」
「駄目」

 見上げる。綺麗な顔に愉悦を滲ませて、氷川は俺に口付けた。舌を食まれてこそばゆくて身体が震える。もどかしくて、足を擦り合わせた。

「なんで入れてくれないの」

 お尻が水音を立ててかき混ぜられている。指を容易に飲み込んで、与えられる快楽を伝えてくる。いつもならもう挿れてくるのに氷川はキスしたり乳首を弄ったりと前戯から先に進まない。もどかしくて、つらい。

「ねだって」

 甘い声。
 それに従えば、この苦い快楽から逃れられるなら。
 氷川の首に腕を回して、唇を寄せた。

「抱いて、ください」

 キスをする。氷川の、赤い舌を唇で食んだ。枷を外された後、腰を支えられて、ゆっくりと入ってくる氷川の質量に歓喜する。

「ひかわ」

 とんとんと中を叩かれる。焦らされた体は渇望した刺激を大袈裟に脳に伝えて、声がいつもよりも抑えられない。

「あ、あ゛っ」

 氷川の背に爪を立てると、氷川の顔が歪む。背に回した手が解かれて、シーツに縫い付けられた。
 ぐちゃぐちゃ。結合部から品のない音が漏れて耳を塞ぎたくなる。キスが気持ちよくて、お腹で擦れる俺のが気持ちよくて。

「っ、」

 お腹の奥に出されて、どくどくと脈打つ感覚で自分のものも白濁を吐き出した。腰を俺に押し付けて、奥に奥に出した氷川は俺の中から出て行く。
 終わった? 

「まだ」
「え」

 ひっくり返されて、お尻に硬いものが当たる。柔らかいそこにずぶずぶと押し入られて、目がちかちかした。
 肩を掴まれて、上下に揺すられて、上体が力をなくすと抱きしめられて腰を打ち付けられた。

「あ、ああ゛」

 中にまた出される。でも中の氷川のがまだ硬くて、こわい。
 上体がベッドに投げ出され、逃げようとシーツを掴む。けれど氷川が腰を掴んで俺を引き戻した。

「や、やだぁ」

 性器が壊れたようにとろとろとカウパーをこぼす。触れられて扱かれると、何がなんだかわからなくなる。何度目かわからない射精をさせられて、でも氷川はやめてくれなくて。お尻を苛まれながら、性器の先を虐められる。

「また、で、でちゃ、とまんな」

 逃げる。逃げられない。
 氷川が鈴口に爪を立てた時にまた白濁が出された。止まらなくて、止められなくて、ぼたぼたと大粒の涙を溢す。頬に流れた涙を舌で掬って、氷川は俺に口付ける。舌を食まれて、こそばゆくて気持ちよくて。

 ……

 何度も抱いて犯して氷川も満足したのか、俺を抱えてお風呂に向かう。指先を動かすのもだるいけど、ベトベトなのでお風呂に入れるのはありがたかった。そこで中に出されたものを掻き出されたのは嫌だったが、抵抗する意思も力も残っていない。

 敷きパッドだけ交換してもらって、ベッドに寝そべる。氷川が腕を回してきたので、胸に頭を寄せた。




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