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カビたパンを食べながら一人鬱屈した部屋で勉強していたことには同情するが、やっていいことと悪いことがある。

「アイナさん、大丈夫なの?」
「うん、てか本人気付いてても全然気にしてないみたいだよ」
「アイナさんらしいよね」

直接依頼されたわけではないが、ストーカーについてはシェラザードが一通り調べていた。
たまたま犯人と同じアパートの住人だからという理由で警戒と報告に当たらせたのがレフだったというだけだ。
ヨシュアが知っているのはレフが喋ったのではなく、ヨシュアだから。
そしてエステルが知らなかったのも、エステルだからという理由だ。

それにしてもギルドの受付で数回会話しただけの女にそこまで狂えるものなのだろうか。
人の気持ちは、やはり理解出来ない。

「ヨシュアはレフを独り占めし過ぎなのよ」
「エステルが難しい話出来ないからじゃないの」
「言ったわねー!」

そう言えば、ここにも居たか。
レフは目の前の二人を見比べ、口元を歪める。

「…何よ」
「レフ?」
「いや、別に」
 
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