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一旦ロレントに戻ったレフを待っていたのは満面の笑顔のアイナ。
そんなにこっちをじろじろ見て一体何なんだと問い質す必要はなかった。

「シェラザード達によろしくね。土産はアンテローゼの果実酒でいいわ」

ちゃっかり土産を要求してくるアイナに苦笑するしかない。
遊びに行くわけではないのだが。というよりロレントの方は大丈夫なのだろうか。

聞けば丁度入れ替わりに他の遊撃士が配属されたのだという。
レフよりもベテランの人物らしいので安心して任せられる。

旅支度とまでは行かないまでも、何週間かかるか分からない為レフは念入りに支度をした。


一方、同時刻の西ボース街道にはエステル、ヨシュア、シェラザードの三人の姿があった。
雑誌記者ナイアルからの情報では、ラヴェンヌ村で空に大きな影が飛んでいくのを見た者が居るとらしいとのこと。

「エステル…またレフのこと考えてる?」
「べ、べつに考えてないけど?レフのことだから、今頃女の子に絡まれてないかなぁってちょっとだけ思っただけなんだから」
「出たわね。ツンデル」
「上手いですねシェラさん」
「へ、変な造語作らないでよ」

砂利も疎らな街道をひたすら歩く。
暫く歩いた先、クローネ山道にさしかかる前の別れ小道に進むと、ラヴェンヌ村へ続くラヴェンヌ山道へ出る。

「あれ?」

山道に入ったところで、先頭をきっていたエステルは自分たちの向かう先から赤毛の男が歩いてくるのを見つけた。
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