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「そのジャイアントフットじゃが、お前さんはどう思う?」
「どうって?」
「魔獣の凶暴化は以前もあったが、魔獣も馬鹿ではないし人を恐れて無闇に襲いかかってなど稀じゃ。思うところがあるなら言ってみなさい」

ルグランの言葉に、レフは少し考えてから口を開いた。

「いきなり襲ってきたこともそうだし…少し気になることもあって」
「ふむ」

感じるとは言っても魔獣の言葉が解るわけでもない。
信じて貰えるかどうかも微妙だったからだ。

「魔獣特有のにおいっていうか色っていうか、声っていうか…うまく説明出来ないんだけど。兎に角違ったんだ」

獣が攻撃してくるときの感情は様々だ。
怒り、苛立ち、悲しみ、戸惑い、不安、恐怖。壊す楽しみ。
喜怒哀楽全て入り混じり、様々な感情が混在して初めて「声」になる。
人も同じ。ただ、人には感情をコントロールする術があるという点で魔獣のほうが顕著に出るというだけだ。
レフが感じ取れるのはその感情の揺れや色の違い。

「うむ……」

レフの言葉に相槌を打っていたルグランだったが、思いついたように目を見開く。

「お前さんに提案があるんじゃが…聞いてくれるかの」
「提案?」
「お前さんにはお前さんの意志があって、シェラザード達と別行動をとっているんじゃろうが、こっちも手薄での。それに定期船の復旧が未定ときた。街道は民間人も多く利用するだけに不安要素は出来るだけ減らしたい」

「えーと…それってつまり?」
「ボース支部に来てもらいたいんじゃ」

面食らって聞き返すレフに、ルグランはにっこり笑って頷いた。
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