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「おにーさん、ぎるどってとこにいくんだろ?はやくいこうよ」
「アリスもうくたくた…」
「あ、あぁ、ごめんな二人とも」

東口から入ってすぐ、ボースマーケットが見える。
右へ曲がり、少し進めば有名なレストラン・アンテローゼ。そして遊撃士協会ギルドがある。
レフはドアの前で深呼吸してからノブを捻った。

「ん…?ご依頼かの?」

見たところ、中はロレントとそれ程変わらない造りだった。
赤毛の正遊撃士が言っていた通り、受付には老人が立っている。
ルグランはレフと両脇の少女二人を見比べ、微笑ましげに目を細める。
兄弟か何かだと思ったのだろう。

「あ、いえ、僕はロレント支部の準遊撃士でレフ・レグルスと言います。ヴェルデ橋から迷子を護衛してきたんですが、依頼を受けた正遊撃士が多忙のようなので代わりに報告に来ました」
「おお、ロレントから。そりゃご苦労さんじゃったな。儂はボース支部の受付をやっておるルグランじゃ。ルグラン爺さんと呼んでくれ」

レフの胸の紋章に気付いたルグランはその皺だらけの顔をますます皺くちゃにした。

「っ…!」
「……!」
「お、おいお前ら…」

相手は親しみを込めて笑ったようだが、双子はビクッと肩を揺らして怯えている。

「あー…年寄りに免疫無い子らじゃったか」

若干ショックを受けているルグランにどうフォローしたものか考えていたところ、丁度手の空いている女性の遊撃士が2階から降りてきたので、二人のことは彼女に頼みレフは爺さんに先程の出来事を全て話すことにした。


* * *



「…そうか。そんなことが……わかった。警戒を強めよう」
「じゃあ、あの二人と後のことは頼みます。俺…僕はこれで」

神妙な面持ちで頷いたルグランに双子を頼み、レフは踵を返す。

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