TOP
turn right!

page list
_______3

にっと笑ってレフは皿に二枚あるうちの一枚を取ってトーストを齧る。
「結局食べるんじゃない」エステルが苦笑した。

「そう言えば捕まったらしいよ」
「え?」
「アイナのストーカー」
「ストーカー?そんなのいたの」
「うん。ヨシュアにしか詳しく話してなかったけど」
「ちょっと、何であたしだけ仲間外れ!?」
「そういうわけじゃ…」
「レフに怒ってるんじゃないもん」

味が足りなかったのか、目玉焼きに苛苛とコショウを振りかけながら聞き返すエステルにレフはむぐむぐ答える。

「犯人は俺のアパートに住んでた浪人生だったんだよ。昨日管理人さんがそいつの親みたいな人と来て、どっか連れて行った」

どっか、とは言わずもがなだ。

「レフが捕まえたんじゃないんだね」
「俺は部屋の窓から逃げないように見張ってただけだよ」
「でも協力はしたんだ?」
「一応ね」

部屋の中はそれは酷かった。
グラビアアイドルに紛れて、アイナの写真が数百枚。
自分で写真の現像をしていたらしく、部屋の中は写真が大量に干してあった。
ギルド内にも盗聴器らしきものが仕掛けてあったとも聞く。怖い話だ。
 
3/52

  
しおり

TOP

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -