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ログハウスのような作りのブライト家は街外れに佇んでいた。
ロレントにあるアパートの一つに住むレフにとって、自分の家以上に居心地がいい。
「適当に座ってて」
「おじさんは?まだ帰ってきてないの?」
「うん。予定ではもう帰ってきていい頃なんだけどね」
「そう…」
入れてもらったコーヒーを受け取り、レフは背もたれに寄り掛かる。
コーヒーの香りが鼻をくすぐる。いい匂いだ。
「手伝おうかエステル」
「おはよヨシュア。レフ来てるわよ」
階段から降りてくる聞きなれた声に、エステルが振り返る。
「あ、ほんとだ。おはようレフ」
「はよ。遊び来た」
「家で待ってれば迎えに行ったのに」
「この家に来たいんだよ」
「まぁ嬉しいけどね」
先ほどまで読んでいたのだろう、ヨシュアは手元の本をテーブルに置き、エステルからカップを受け取った。
レフのアパートの近くにある雑貨屋にも出ていた本だ。
「それ面白い?」
「うん、ちょっと嘘っぽいけど」
「読み終わったら貸してね」
「もう読み終わったから、今貸そうか」
「やった」
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