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「ああ…ありがとう。じゃあ任せるけど…もう一人が見つかったら私に報告してくれないか。ボース側は君の管轄ではないはずだからね。代わりの遊撃士をあたるよ」
「はい。行こう、アリス」
「うん」

素直に頷いたアリスの手を引いて、もう一人のルイスを探すため部屋を一つ一つ調べながら階段を上がる。
屋上や廊下は兵士がいたから、空き部屋を覗いた。
物置になっているようだし、ここなら誰も来ないだろう。

「ルイス。アリスはどこ?」

扉を閉めながらレフはそう「アリス」に問いかける。

「な…」
「君、最初の子と違うだろ」

大きく目を瞬かせた後口元に手を当てて少々思案していたようだったが、次の瞬間。
子供は「にっ」と歯を見せた。

「よくわかったね、おにーさん」
「あーあ…もうおしまいかぁ。いままでだれもきづかなかったのに」
「ルイス、さいきんおはだのていれがなってないもの」
「ニベアでもつかえって?」

「ルイス」の後ろから現れたもう一人の少女「アリス」。
レフの推測通り、正真正銘のアリスは赤いリボン、ルイスは緑のリボンをしているようだ。
鏡映しの二人は、並べてみても瓜二つだった。

「大人をからかうもんじゃないよ全く。俺も最初はすっかり騙されたけど」
「おとなってねぇ…おにーさんだってまだ「みせいねん」だろ」
「あたしたちとたいしてかわらないじゃない」
「ぐ…言うじゃねーか」

6歳なら、10歳も違うだろうが。出かかった言葉を飲み込む。
子供相手に何をむきになっている。平常心、平常心…


* * *



「おい、ガキ二人って話だったが…一人増えてんぞ。コイツもボースに送ればいいのか?」
「ああ、その子はいいんだ。準遊撃士のレフ君だよ。ええと…」
「…アガットだ。いや俺のことはいい」

ノックも無しにドアが開き、部屋へ入ってきたのは無愛想をそのまま形にしたような男。
一瞬身構えるが、後ろから入ってきたアストンに安堵の溜息が漏れる。
ふてぶてしいが怪しい者ではなさそうだ。

「おいガキ、さっさと引き渡してもらおうか」

こんな髪、初めて見た。
男の燃えるような赤毛にレフは大きく目を瞬かせる。

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